ハルボネビアの舞い
□第九夜
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という訳で
『ホントに来ちゃったよバルバット…』
一応髪はまとめて隠してある。
ファナリスなんて言われたら溜まったもんじゃない。
『…ん?』
しばらく歩いていると、多くの人影。
ガタイのいい人ばかりだな。
あ、あれが反乱軍?
って、あ。
一気に地を蹴り、集まりの中心へ
『この人数は卑怯でしょ』
大量の反乱軍の中に、3人の人。おそらく、これから交戦しようとしていたのだろう。
「なんですか貴方は」
「私?通りすがりの旅人だよ。」
と、紅炎から言えと言われていた。
「か弱い一般ピーポー」と言おうとしたが、紅炎に却下されたためやめた。
『とりあえず、これ片付けませんか。この国の状況が私まだよく理解出来てないんで』
「そう…ですね」
とりあえず鎌を出す。
金属器使ったら怪しまれるよな。一応能力は使わないでおこう。
みんな各々の戦い方で敵を片付けていく。あの青い髪の子、ちっちゃいな。まだ十歳くらい?赤い髪の子は…ファナリスか。あの脚力はやっぱり本物だとちがう。そしてこの白い髪の人…どっかで…
『?』
相手は何か金属器らしきものを取り出した。なんだあれ…っ!?
『皆さんッ!!引いてください!!』
「あれは…金属器!?」
黒い霧が出る。絶対嫌な予感しかしない。バレるバレないの問題じゃない。
『イェストル!』
ジンの名を呼ぶ。
武器化魔装状態になる。
周りの人は皆、驚いていた。
『クッ!!間に合え!!』
霧を氷で凍らせる。ついでに、赤い霧も。霧だから冷気を操る私なら凍らせられる。間一髪、彼らに当たらずに済んだ。
「…蓮玉?」
『ふぇっ?』
「蓮玉ですか!思い出しました!私です!ジャーファルです!」
『え!マジですかジャーファルさんですか!!』
思わず帽子を取って挨拶する。
ジャーファルさんは私に暗器のノウハウを教えてくれた師匠だ。まさかこんなところで再開するとは。
「あなた何やってんですかこんなところで!」
『旅ですよ旅!』
「嘘おっしゃい!貴方が好き好んで旅なんてする筈がない!」
失礼だこの人。
いくら私だって傷つくぞ。