ふわりゆらりと逃避行
□ななつ
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鬼灯は薬を取りに来た付き添いらしく、白澤から薬を受け取っていた。
「うーん…記憶ねぇ…
君とは…何年だろう?四千?そこらで会ったっけ」
『いーや、ちがう。四千と九百二十三年』
「これのどこが婆なんだよ」
『ね?だから不自然でしょ?五千年前のだけスポッと抜けるなんて。ほら、白澤君いろんな女神様と知り合いじゃない?だから誰か詳しい人しらないかなって』
「…こういうのはさ、偉い人に聞くのが一番じゃない?」
「偉い人、ですか」
「一番手っ取り早いのは…伊邪那岐命(イザナギのミコト)」
『やだ』
「だめです」
「どんだけ嫌いなんだよ」
前にも話したが、梢はイザナギに封印されたのである。憎悪はなくとも会いたくないというのはあるのである。
「つーか、なんでお前までダメって言うんだよ」
「最悪の結果(喧嘩で日本壊滅)を考えると止めなければと思いまして」
『私のこと嫌いだからな〜、あの人』
なんというか。
自分の父親をあの人といい、嫌いと割り切りれる梢は凄い。
そこは、鬼灯と似通ったところがあるのだろう。というか、梢と鬼灯は随分似た者同士だ、と白澤は思う
「じゃあさ、違う人のとこ行こうか」
『例えば?』
「例えば…
伊邪那美命(イザナミノミコト)?とかね」