ふわりゆらりと逃避行

□やっつ
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コンコンッ








『え?誰だろ』






いきなり、戸がノックされる
あけてみると






「梢さん!!」








『ふぉっ!
ほ、鬼灯?どうした?』





彼女が驚くのも無理はない。
鬼灯はいきなり抱きついてきたのだ。
あの無表情の鬼神が凄い剣幕で自分に抱きついてきたら、そりゃ動揺するだろう





「聞きました
天帝様の所へ行ったのですね?」







『うん。記憶は返してもらったけど、まだ思い出してないというか、なんというか…』






「はい?」







梢は一部始終を詳しく話した。天帝に会ったこと、飴をもらったこと







「必要な時…ですか」







『うん。でも特に必要な時とか思い当たらないから今飲もうかなーって』






「駄目です」







『え、なんで鬼灯が止めるのさ』








「貴女はすぐ後先考えず行動して…
思い出さなくとも、今は普通に生活できてますよね?
だったら、本当に思い出したい時に飲みなさい。飲んでなにか副作用があるやも知れませんし」







『副作用?こわっ』







「天帝がすんなり渡すとも思えません」








『それは私も思ったけど…
うーん…わかった。
とりあえず、今は飲まないでおこうか』






「それがいいです。では」








『おー、ありがとねー!』








そう言うと、鬼灯は部屋を出ていった
























『あれ?そう言えば、なんで鬼灯は部屋来たんだろう?』
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