ふわりゆらりと逃避行

□よっつ
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『すっきりした』








「それは良かったですね」








夜、珍しく鬼灯が資料室を訪ねてきた。明日孤地獄の仕事が入ったのでその亡者の生い立ちを知りたいらしい







『…あった。はい、これだったと思う』







「ありがとうございます 」








『お前の言う通りにしたら、たまにはいいこともあるんだね』







「たまにはってなんですか」








『そのままの意味だけど』








こんなに幸せだったから、私は気付けなかったんだ















鬼灯が、私の記憶の抜け落ちた部分を、知っているなんて







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