ふわりゆらりと逃避行

□ひとつ
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ここは記録課
鬼灯達はそこから更に奥に進んだ廊下を進んでいた






「一度裁判が終わった亡者の記録は、この奥で管理しています。しかし、そこで管理している方がほんっっ……とにめんどくさい人で…
彼女は関わるとめんどくさいんです」







「鬼灯様がそこまで言うんですか…」








「その人って、どんな人なんですかー?もしかして、妖怪?」







「会えば分かり…チッ」








何を勘づいたのか、もう着くというところで彼は舌打ちをした。そして目の前にある扉を蹴って壊し、中にズカズカと入っていく。新卒たちは一体なにが起こったのかわからなかったが、慌てて鬼灯についていく








「おい起きろニート」








『ふぁ…?
あ、ほーずきだー…おはよ…』







「もう昼ですよ梢さん」








『え、嘘
んー…寝過ごした…』







鬼灯が話しているのは、
青緑の色の目に、鶸色の髪を横に一つまとめにした女性だった。誰の目から見ても、間違いなく美人と言われる姿。更に、神々しい雰囲気までする。何故このような女性にこんな態度を取るのか。彼らは不思議でならない







『ん?あの子達は?
見ない顔…新卒?』







「はい。
あ、唐瓜さん、茄子さん、紹介します。こちら記録課資料保管をしてらっしゃる、梢さんです」






『へー、唐瓜君と茄子君かー。
梢です。
私の事は好きに呼んでくれて構わないよ』






「よ、よろしくお願いします…」








「よろしくお願いしまーす!!」








ニコニコする女性。笑った顔もかなりの美人である。新卒達の謎はますます深まる






「茄子さんが資料を見たいそうで。彼は絵を描いているんです。そのネタ探しらしくて」







『へー!そうなんだ!ここにある資料は好きに読んでいいよ。唐瓜君も見る?』







「い、いえ。俺はただの付き添いなんで。」







「梢さーん!
嫉妬とか…そういう感じの資料ないですか?」






『んとねー…




百三十七番の巻物の、五回目の人生からのお話が面白いよ。五年前だから古いかもしれないけど。あと、最近は…千五百九十番の本の最新の…334ページ目からが面白いかな?結構エグいけど』















彼らは絶句する。この膨大な、それこそ全亡者の資料から、茄子がリクエストした内容の資料を厳選した。
梢は『お茶入れてくる』と言って行ってしまった。鬼灯がそこらへんにあった椅子にドカッと座る







「彼女はここの資料の内容なら全て分かりますよ。結構読んでますし」







「だからってページ数までわかるもんなんですか?」







「いえ…彼女は具生神の統率もしてくれてるんですよ。帰ってきた具生神は記録が終わったあと、彼女の元へ行き、その人間の記録をキレイさっぱり彼女に渡すんです。そしてから次の人間の元へ行くんですよ」








「だから全てわかるんですか
でもあの人、具生神じゃないですよね?妖怪でも無さそうですし」






「あぁ、いい忘れてました
梢さんは…






















神様です」








「…はいィィィィィィィィィィ!?」







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