その娘、怪奇につき2

□野干はかわいい(確信)
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「いらっしゃいませー」





『え、普通にイケメンじゃん』







「…チッ」







『いひゃいいひゃい!鬼灯ひャめて!』






「姿は変えられるから問題ねーのよ。
問題はキャラと接客」






あ、そうか。
狐って変化できるんだっけね。自由に変化できるんでしょ?いいなー。






「こちら鬼灯さんと瑠璃さん。
ほれ、いつものように挨拶せい」








「オジヤです!」







「トルティーヤです!」







「ホヤです!」







あまりの衝撃に階段から落ちた。
なんだその名前。






「とりあえず顔中心に殴っていいですか」





『客をバカにしてるのか。還れ』








鬼灯が金棒をぶん投げた。いや、当たり前だろうが。
馬鹿にされた訳でもないのにここまで腹が立つのはなぜだ。








「まず◯◯ヤって名前ならホストっぽいというのは大間違いでしょう」




『なんだオジヤって。なめとんのか』







「とりあえず金棒はやめとくれ!
こいつら今はやりのS系で売ってんじゃけど、ちっとも人気出んのよ。
だからあんたに見てやって欲しいわけ」






「私Sではないのでお役に立てるかどうか…」






『いい?檎。
こういう無自覚のSが一番恐ろしいんだよ。はいひとつ覚えて』






「なるほど」





とりあえず、接客してもらえることになった。







「気持ち悪い…
まだ瑠璃に接客してもらったほうがいい…」







『お前といえどもぶん殴るぞ』



「トルティーヤです、ここ座っても?」







「どうぞ」



恥じらいはないのかトルティーヤよ。
改名しろこいつら。そして私にはオジヤがついた。




「お前見てるといじめたくなるな!
おい、とりあえず俺指名しろよ!」







プチッ







『消えろ』






「ちょ、檎さん助けごはァァッ!」







「瑠璃さん、だめか?」







『全員まとめて死ねばいいと思う。』




こいつらホスト向いてねぇ。
もうドン引きだった。だいたい、なんだいじめたくなるって。理性のメーター吹っ切れるところだったわ。



「俺ってさー、Sなんだよね!
誰かいじめてないと落ち着かないんだ!」





うわっ、トルティーヤもキモイ。
鬼灯に口に氷突っ込まれてるよ。




『手本みせてあげれば?』







「私Sじゃないですって。
だいたい、自分でSと公言するのはおかしいと思いますし、本当のSはSという前に相手をチリにしてるでしょう」






『いやそれただのヤバイ人』




「まぁ要するにあれだ!
お前らにSは無理だ!」





数分後、色々話してその結論に至った。おそいよ檎







「流行りといえば現代のニーズに合わせてもっと良い方法があると思うんですが…」







「お!?
何かあるのか教えてくれ!」








「いえ、単純な話…」















数日後、ホストクラブは狐カフェに生まれ変わった。もうビフォーアフターだね。なんということでしょう。




『あ!甘味忘れてた!』






「…(モグモグ」







『…ねぇ鬼灯?それ甘味屋の団子じゃない?ねぇ?』







「…あ、ご馳走様です」





ここにろくでなしのクソ野郎がいます。
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