その娘、怪奇につき2

□夜ふかしはね、やっぱりダメだ
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そのあと、鬼灯が白澤を強制的(物理)で帰らせました。ごめんね白澤。






「さて瑠璃」








『はい』








「何故寝てない上に色欲魔を連れ込んでいるのでしょうねぇ?」








『違う違う違う!
寝れないから薬貰おうと思って呼んだだけ!』








「(チッ)そうでしたか」








おい今のチッてなんだ。絶対なんかしようとしてただろこいつ。
とりあえず薬飲んで寝よう。薬と一緒に白澤がおいてった紙を開いた。どうやら効くまで少し時間がかかるらしい。







『そういや鬼灯、法廷は大丈夫なの?』







「今日の裁判は数も少なかったのですぐ終わりました。その紙は?」







『んー。薬の説明なんだけど、なんか効くまで時間がかかるらしくてさ』








「…話し相手にでもなりましょうか?」








『え?いいの?』







「ええ」










といっても、鬼灯と話すこと…となるとなかなか思いつかない。いや、大概のことはお互い知ってるわけだからさ。
…あ、そうだ。






『鬼灯ってさ、彼女とかっていたことある?』







「ない…ですね」






意外だ。鬼灯人気だから一人や二人いてもいいと思うのだが






「…ですが、思い人はいますね」


















チク。
なにか、刺さった音がした。











『え、意外。どんな人?』










「馬鹿なんですけど、周りを笑顔にして、他人を第一に考えるお人好しです。」










『…なんか、その人をいつも殴ってそうだね』








「まあ実際殴ってますけど。























…そんな人だから、私は何千年も思い続けているんでしょうがね」

























ぐらり。
視界が揺れた。一瞬だけ。












そうか















適うわけがないんだ。



















あの鬼灯が何千年も思い続けている相手なんかに。










私なんか、


自分のことばっかりで、


鬼灯に迷惑かけてばっかで。
ああ、自分で聞いといて、自分で自爆とか。











「瑠璃?」









『……え?』











顔が…頬が…熱い?









なんで私、泣いているの?









「瑠璃!?
どうして泣いているのですか!?」









私にもわからない。ただ考え事をしていただけなのに。
だんだん体が重くなっていく。
あ、そっか








『…なんでもないよ。多分副作用じゃない?
眠く…なってきたし…』










その後、私は意識を手放した

























私は本当に鬼灯が好きだ







だけど、








幼馴染より遠いものはないんだ












そんなことを思いながら、夢の世界に吸い込まれていった








  
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