番外編
□オーストラリア旅行
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鬼灯side
旅行から帰ってきて、また平常運転で働いている頃だった。
「鬼灯様!書類見てもらってもよろしいでしょうか」
「はい。いいですよ」
唐瓜さんと茄子さんが訪ねてきた。
この二人仲が良いですね。微笑ましいことです。
「鬼灯様ー!旅行楽しかったんですかー?」
「?えぇ。楽しかったですよ?」
何を言い出すのでしょう。
顔が怖いなどと抜かしたら顔を変型させてやりますか
「いや…鬼灯様、楽しかったはずなのに少し疲れた顔してるような気がして…」
「ちょ、なっ茄子お前!」
「そうでしょうか。私は楽しんできたつもりですが…。あ、そう言えば今日は桃源郷に行かなければならなかったんです。唐瓜さん書類は目を通しました。ではこれで」
…まったく、茄子さんは相変わらずカンが鋭くて参りましたね。そのうちうっかり瑠璃の前で…なんてこともありそうです。
そう思いながらその場を後にした。
「ごめん下さい」
「あ、鬼灯様。」
極楽満月に行くと、三人ともお土産を楽しんでいた。どうやら瑠璃が置いていったらしい。マカダミアナッツチョコとワインとが置かれていた。
「薬貰いに来ました。あとこれお土産です。」
「ありがとうございます。」
ハチミツとティムタムを手渡す。
薬を貰って帰ろうとすると、白豚さんに急に絡まれた。うわっ。酒臭っ。昼間から酒飲んでるんですかこいつ
「お前〜。瑠璃ちゃんと進展したぁ〜?」
「離れろ酒臭い愚弟類が。」
「あ、そうそう。それ自分も気になる。」
白澤さんとラルさんは期待の眼差しをこっちに向けていた。桃太郎さんも心なしかウズウズしている気がする。
しかし、
「別になにもありませんでしたよ。強いていうなら同じ部屋で寝ただけです」
「なんでそこまでいって何もしないの!?もうそこまで行ってるなら押し倒す位のことしたらどうだチキン野郎!ゴハァッ!」
「貴様とは違うんだ黙っていろ淫獣。大体、瑠璃は私になんの気もないので進展も糞もないでしょう。」
「ラルさん…鬼灯様ってここまでだったんですか…」
「いや、流石にこれはひどい。」
皆さん何を言っていらっしゃるのでしょう。
私がヘタレみたいなことになっておりますが。こうなったのは全部この淫獣のせいだ。とりあえず殴っておこう。
「理不尽な暴力反対!」
「あの…鬼灯様の目の下にクマが出来ているのって、もしかして…」
そこまで桃太郎さんに言われ、ピタッと体の動きが止まった。…まさかそこまで当てられるとは…
「もしかして…お前…
緊張して寝れなかったの!?うっわーウブだねぇ〜wwwwwwグバァッ!」
「死ね。死ね。死ね。死ね。そういうあなたもラ「うわぁぁぁ言うなぁぁぁぁぁ!」」
「やめてあげて下さい鬼灯様白澤様がマジで絶命の危機にあってます!」
その時丁度ケータイが鳴った。この音はメールか。一応確認しておこうとケータイを開き、メールを確認する。仕事のものであったが、急ぎのものでは無いためケータイをしまおうとした。が、
「ちょっと!待ち受け見して鬼灯!」
チッ…今日は変なところに気がつくなこいつ…
「死んでも見せるか。そうゆうのには変にカン鋭くなりやがって。どうせあれでしょう?性関係のことでしか頭を使えない残念な神様なんでしょう?」
「いつにも増してひどい悪口!いーよーだ!緊張して寝れなかったの瑠璃ちゃんに言っちゃうから!」
「チッ…どうぞ」
「今日はやけに素直だな…。っ!やっぱりかこのむっつり!」
「え、なんです…っ!??」
「…わお。」
なんですか皆さん。
人の待ち受けを見て。
「これ瑠璃ちゃんの旅行中の写真だろ!?めっちゃむっつりじゃないか!しかも擬態薬使ったときの!どんだけ愛してんだよ!」
「満面の笑みですね瑠璃様…こんなことに使われるなんて少しも思ってないんでしょうね」
「失敬な。せめて一週間だけここに止めて置きたいと思ったと思ったら、ボタンを押す指が止まらなかっただけです。」
同時に、桃太郎は少しげっそりした。
何故なら、桃太郎はこの光景に見覚えがあったからだ。
瑠璃がお土産を置きに来たとき、店には桃太郎しかいなかった。
「瑠璃さん?クマが凄いですよ」
『いやぁ…鬼灯と一緒の部屋に寝たから緊張して…』
「(かわいいなこの人!)しっかり寝てくださいね。安眠の薬出しますか?」
『いいや。大丈夫。っと、メールだ』
「え…瑠璃様…待ち受け…」
『え?うわぁぁっ!だっダメだよ!?
ほっ、鬼灯には…言わないでね?』
待ち受けには鬼灯の私服姿の待ち受け。個人的ベストショットらしい。
「「「はやくくっつけバカップル」」」
「心外です。」
地獄のバカップルは、相変わらず亀並みの鈍感さとスピードで進展しているようです。