番外編
□丁と自分と
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鬼灯side
「瑠璃は、なぜ鬼なのですか?」
あえて、自分のことを聞かないのはきっと、鬼になりそうな心当たりでもあったのでしょう。そして今着てるのは儀式服。恐らく、生贄にされた後。瑠璃がまだ殺されていない頃でしょう。
「まあ私のせいです。全面的に。」
「そうですか。あと、私は死ぬのですよね?」
「まぁ…はい。」
「村に、雨は降りましたか?」
降った。結果的に言えばそうだ。だが、私が死んだからではない。瑠璃が死んだからでもない。雨は降らない時もあれば降るときもある。たまたま、長引いただけだ。
「…降りましたよ」
「そうですか。瑠璃は、幸せそうでしたね。」
「そう見えましたか。ならよかったです」
こんな時まで瑠璃を心配するのか、と笑えてくる。昔から相変わらず私は瑠璃にご執着のようだ。