その娘、怪奇につき
□少し、昔話をしようか
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桃太郎side
『は…く…たく…らる…もも…たろ…くん…誰か…いる?』
三人で休憩をしていた所に、そんな声が聞こえた、その瞬間、白澤様とラルさんは立ち上がり、声のする方へ行った。すると、そこには傷だらけの瑠璃さん。立っているのもやっとの様子だ
「瑠璃ちゃん!どうしたの!?」
白澤様の顔がいつもと違う。ラルさんも。その気になれば人を殺してしまいそうな、そんな顔。
『だい…じょぶだよ、傷は痛くない…けどさ、蹴られて、首締められて…何か、オモイダシソデサ…頭ガ痛クテ…ァ』
その瞬間、瑠璃さんは倒れた。
「瑠璃さん!」
「桃太郎くん、今すぐベットに運ぶよ。ラルは鬼灯に電話」
「分かった」
電話をして数十分後、鬼灯様が部屋に飛び込んできた。肩で息をしていて、こんな鬼灯様は見たことない。
「はぁっ…!瑠璃は…!」
「大丈夫だからまず落ち着け。多分、誰かに攻撃されて、首締められて、」
そうだ、首締められたんだ。そう思って瑠璃さんの首を見る。すると言葉を失った。だってそこには
沢山の傷があったから。普通なら生きてなんかいられないと自分でも分かる。
「あぁ、桃太郎くんは知らなかったよね」
そういって白澤様は悲しそうに微笑む
「じゃあ、すこし昔話をしようか」
桃太郎side end