その娘、怪奇につき
□食器の無駄遣い
2ページ/2ページ
ラルside
『うまー!やっぱケーキって美味しいね!』
「ほんとですね。このカスタードケーキ、なかなかです。」
瑠璃はミルフィーユ、鬼灯はカスタードケーキ、自分と桃太郎くんはチーズケーキを食べていた。桃太郎くんの動物たちは先に帰ったんだって。残念。
え?白澤?あいつはいま薬探して…あ、来た
「はーい。お待たせ。瑠璃ちゃん、この薬でいいんだよね?」
『そうだよ。いつもありがとね』
そう言って瑠璃は薬を受け取った。一見すると仲良さげに見えるのになぁ。やっぱ鬼灯の影響で目つぶしとかしちゃうのかな。まあこっちも見てて面白いから別いいんだけどさ。
『カスタード美味しそ』
「美味しいですよ」
『一口もらう!』
瑠璃は鬼灯のカスタードケーキにフォークを伸ばした。が、それは鬼灯に阻止された。
「ダメです。あなた結構な量持ってくでしょう。私がミルフィーユ食べてからです」
『鬼灯だって結構もってくじゃんこの前なんか半分も持ってかれた』
お互いがお互いの手を制しながらお互いのケーキに手を伸ばすので傍から見ると抱き合って見える。そして本人達は結構真剣な上無自覚。いやぁ、恐ろしいね。
「あ…あの…あれって放置していていいんですか?」
「うん…多分」
「でもさー、あの二人って昔からあぁだよね。なんでくっつかないのかなー(笑)」
おい神獣やめろ。そんなに声おっきくして言ったら
「『あ”?』」
あ、手遅れだ。二人の握っていたフォークが思いっきり変形した。さよなら白澤。
「『てめぇ、鬼灯(瑠璃)に失礼な事言ってんじゃねぇぇ!』」
「ぐほぉぉっ!」
2人で息のあったセリフを言ったかと思えば、2人同時に白澤を殴った。しかも2人とも金棒で。まぁ二人くらいの地位になると金棒常備は当然なのだがどっからだしたそれ。
しかも、二人とも相手が迷惑と言って自分が迷惑とは言わない。面白いなぁ。とか思いながら新しいフォークを二人に差し出した
『鬼灯。相手にあげていい分だけ切ればいいんじゃない?』
「それでいいですね。」
多分二人とも…そうなんだろうね。今はまだ言わないであげよう。隣の神獣も気付いてるだろうけどなにも言わないし。
「ボソッ)二人ともホントは嬉しいくせに」
そう白澤が言った瞬間、白澤の頭にさっきより歪んだフォークが光の勢いで刺さった