その娘、怪奇につき
□苦手なものは苦手
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「いつからでしたっけ、苦手になったの」
『多分最初からだと思いますけど。あれはもうトラウマレベル』
ーー昔
私が閻魔庁に勤めて最初に迎えた雨の日。私は風呂から上がり、自分の部屋に行こうとして、たまたま中庭を通った。
ゴロゴロ…
『うっわー…ひどくなりそ…』
ズドォォォォォォォン!!!
雷が落ちた。そこまではいい。けどそこは中庭、つまり金魚草が死ぬほどあるわけで、
「おぎゃァァァァァァァ!」
『ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!』
金魚草は一斉に泣き始めた。そりゃもう生き物の声とは思えないくらいひどく。
その声を聞きつけて鬼灯が来てくれたけど、
「瑠璃?先程ひどい音が聞こえましたが」
『鬼灯ぃ…』
「え、瑠璃!なんですかその顔は!」
『私…ここやめたぃぃぃぃぃ!!!』
「あぁ…確かにありましたねぇそんなこと。」
『あれから夢にもたまに出てくるし、金魚草見ると発狂しそうになるんだよねー…』
すると突然鬼灯がはっと顔を上げた。