ふわりゆらりと逃避行

□とお
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『…鬼灯の隠し子?』








「なんで皆さん同じことを言うのですか」







『いや?似てるなーって
おいで座敷ツインズ』





鬼灯が座敷童子を連れてきた
双子の座敷童子である。メチャメチャ可愛い






「御紹介します。
ヒキニートでゲーマーの梢です」






『色々酷い紹介である
梢です。仕事はしてるよ』







「…本当に?」








『え、うん。
なんなら仕事場来る?』





しばらく大きな目でじっと見つめられたが







「…大丈夫そうだね」








「うん。この人は大丈夫」





そう言って頷いていた
どういうこっちゃ…あ、そうか

座敷童子はその住んでいる家に繁栄をもたらし、その繁栄で堕落したならその家を出る妖怪。
出ていった家は没落するという。
ということは







『私が堕落していたなら、地獄は大変な事になっていたのか』







「まあそうなりますね
彼女らの判断が甘かったのですかね…チッ」






座敷童子は堕落判定器ではないぞおい。
どうやらこの子らは少し前に地獄に来ていたらしく、一度桃源郷に住んでいたらしい。
ん?桃源郷?






『桃源郷って、堕落の塊みたいなのが1人いるけど…極楽満月潰れた?
出ていって地獄来たってことはそうだよね?』







「ううん。土地1回売ってた。」








「あのスケコマシ、頭だけはいい」








『なるほど、伊達に知識の神様やってないね』





先に出ていって土地を手放せば、座敷童子の効力は消えるだろう。
しかし、吉兆の印ともある神獣が座敷童子の力に負けるのか。
力の差としては
吉兆の印≪座敷童子
であろうか。あくまで象徴である白澤には手の施しようがないだろう。
桃太郎君が少し不便だ。





「あ、そうです。
梢に少し頼みたいことがあるのですが」






『何?
私がやれることなら。書類は一応終わしたし』






鬼灯に大分減らしてもらったとは口が裂けても言えない。
そんなことを座敷童子'sの前で言ったら自殺行為である。






「いえ、彼女らの日用品を買い出して欲しいと思いまして」







『…日用品?』








「はい。メモはこれです
私は行く時間が無いので」




渡されたメモに目を通す








『…
“小豆1kg
玩具を数種…”





日用品ってなんだっけ(遠い目)』








「彼女らの好物は小豆飯らしいので。あと、基本イタズラ好きなんですよ彼女ら。書類にやられても困りますし、イタズラ防止策です」








『まだまだあるけど…一番謎なのは
“雑誌”?
なんの雑誌?しかも日用品て、それらしいものが一つもない』







「ポッ○ティーンズ買って」








「服」







『お年頃なんだね…うん』








「この子達は基本寝床を持ちませんので。日用品らしい物はあまり要らないかと」





そういうものなのか。
知識としてはあるがあまり見たことが無いのでよくわからなかった。
座敷童子の生態は複雑だ。




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