ふわりゆらりと逃避行
□ここのつ
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「ふむ…天帝ねぇ…」
『うーん。難しいのは苦手でして。
いい案ないかな檎ちゃん』
梢は今、あの妲己がやっている店の太鼓持ち、檎を話していた。
どうやら天帝のことらしい。
梢の顔は意外と広い。
「ところで梢さん…あんたなんでそれをわしに相談するんじゃ?」
『人生経験豊富そう』
「あんたがいうか」
『最近とうらぶ(刀剣乱舞)とか青鬼(探索ゲーム)やってるって言って引かなかったのは君だけだし。何話しても大丈夫かなって』
「とんだ偏見じゃな…
とりあえず、そのアメ食べると記憶…?戻るんじゃろ?
やってみたらいいんじゃなきに」
『うーん…鬼灯がだめって』
「鬼灯様がか?」
檎は眉間にシワを寄せた。
彼は鬼灯が嫌いなわけではない。では何故か。それは梢についてである
「梢さんあんた、鬼灯様には随分従順じゃの」
『?
そうかな。』
「あんた、誰に何言われたって気にしないような人じゃろ。
なんじゃ?あの人に気でもあるのか」
『まっさか〜
私が恋愛をしたら?』
「世界が終わる」
『正解』
正確に言うと終わりではないのだが。
一人の人間に神が固執するなど、あってはならない。神は平等でなければならないのだ。
まあ、鬼灯は人ではない。しかも地位も十分。神の恋愛対象としてはOKだろう。そこを忘れているがあえて言わない檎である。
「わしは、お主らがもっとひどい感じに見えるがのぉ」
『ひどい?』
「強いて言うなら共依存」
『何それこわい』
どうやら、梢に自覚はないようだ。はたから見れば2人が相思相愛のように見えるが。
共依存…とは行かない…とは言いきれないが
『私が鬼灯に甘いのはやっぱあれじゃない?無意識?』
「それじゃよ」
『え?』
「あんたは基本理由がないと動かんじゃろ?そんな人が無意識なんてあるのかの。
しかも、あんた記憶はその抜け落ちた部分以外全てあるんだから、鬼灯様に甘い理由はその記憶の部分にあるんじゃないか?」
『え…
や、やだなー檎ちゃん。
んな訳ないよ。大体、私鬼灯と初めてあったの今から三千年前くらいだよ?』
「その前に会ったことがあって、それを無かった事にしたかったんじゃないかのぉ。鬼灯様は。」
『…むー。難しい』