ふわりゆらりと逃避行
□みっつ
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side 梢
『白澤君?いる?』
「…梢さんじゃないですか」
『やだなー。皆みたいにちゃんって呼んでよ』
ちょっと野暮用があって今極楽満月に来ています。白澤君はいっつも私をさん付けするからなぁ。白澤君も一応神獣なんだからちゃんで呼んで欲しい。
「貴女をちゃんなんて呼べませんよ」
『あら、それは女の子に対する差別だよ?』
「ちょ、なんでつねるの!?
痛い痛い痛い痛い!!!」
『あ、敬語取れた』
「!!!!!」
『なるほどー、白澤君とタメで喋るときはほっぺをつねればいいんだな』
「…わかったから。タメで話すから」
『よろしい。今日は薬貰いに来たよ』
「…あぁ、頭痛薬?」
『うん。貰ってたやつきれちゃって。』
何故か私は頭痛持ちだ。神なのに。意味がわからん。しかも神に効く薬など此処でしか売っていない。
「ちょっと待ってね。今ちょっと奥に…」
奥の部屋でがする話し声がする。
真昼間から女の子でも連れ込んでるのかこいつは。
「おい爺、早く接客終わせ」
中から出てきたのは…あ、
『鳳凰君!!
お菓子あるよおいで』
「わーい梢おねーさんだー(棒)」
「お前何やってんの!?」