ふわりゆらりと逃避行
□ひとつ
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「記録課、ですか」
昼。閻魔庁の法廷も今の時間は静か。そこで話しているのは閻魔大王第一補佐官、鬼灯と新人獄卒の唐瓜と茄子である
「人間の記録についてって…書類とか本とか、巻物とかありますよね?ちょっと見せてもらえないかなって…」
「構いませんが…何故?」
「いやぁ、茄子が…」
「次は人間のあのギクシャクしても儚い感じの絵を描きたいんですけど…なかなか浮かばなくて。参考に見たいなって」
「…そうですか。」
鬼灯は顔に表情はあまり出さないタイプである。だが、今の彼は苦虫をかみつぶしたような顔をしている。当然、唐瓜と茄子は慌てた
「すいません!
やっぱり、ダメでしたか?」
「いえ、こちらの都合です
…あのニートに会わなくてはならないとは、と思いまして」
「?
ニート?ですか」
「はい。今現在私が潰すのに最も力を入れている仕事についている方です」
「なんかサラッと怖いこと言ってるこの人!!」