その娘、怪奇につき2
□地獄式鍼灸術と浄玻璃鏡の使い方
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「ぎぃやァァァァァァ!」
只今閻魔庁。閻魔の叫び声が聞こえた気がする、けどきっと気のせい。ということにしておこう。面倒ごとには関わりたくない。
「あ!瑠璃様だ!」
『あ、シロさんこんにちは。ルリオさんと柿助さんも一緒ですか』
「はい。報告書出そうかと思って」
この三匹は獄卒が板についてきたな。
いいことだ。四月に入ってくる新卒たちにもきっと良い先輩として見てもらえるだろう。シロさんは少し心配だが。
「あの…今閻魔様の叫び声が聞こえたような…」
『気の所為です』
「即答ですか!
いや、報告書出しに行くのなんか怖くなってきた…」
『ふむ…3時間モフモフさせる権利くれたら考えます』
「3時間はキツイ!」
結構30分で手を打つことになりました。仮眠の時の枕にしようと思ったのにな…。
んでもって来ました法廷。
そこには寝っ転がっている閻魔と鍼刺そうとしてる鬼灯が居た。謀反?ついに謀反?私も手伝うぞ
「〜♪にーっわのはったけーでぽっちが鳴く〜♪」
「シロ"ぢゃあぁぁぁぁぁん!
たずげでぇぇぇぇぇぇ!」
そしてその横を平然と通り過ぎるシロさんマジ勇者。
『遂に謀反ですか?私も手伝いますよ』
「あ、じゃあそこのチェーンソーとってください」
「何言ってんの鬼灯君!?
そして瑠璃ちゃんもウキウキでチェーンソーとってこないで!どこから持ってきたのそんなもの!」
『まあ、半分は冗談として、なんでこんなとこで寝てるんですか閻魔様。場合によっては半分冗談が100%本気になるぞ』
「何その脅し文句!
腰が痛いから鬼灯君に治療してもらってたんだけど…」
「鍼治療しようと思ったら抵抗するんですよ」
『スポーク刺そうとしてんなら誰でも抵抗する』
「スポークってなんですか?」
『シロさんそれもわからないで行ったんですか…スポークは簡単に言うと自転車の車輪の真ん中にいっぱいある棒です』
シロさんはへーといって目をキラキラさせた。大丈夫かなこの子。
「えーと、腰の痛みに効くのは
温熱と、指圧と、鍼と…
…全部俺の死因だ…。」
『どんだけ根に持ってんだ。』
どうやら相当のトラウマと化しているらしい。まあ私には関係ない。間違って傷つけてしまっても柿助さんの自業自得ということで。
「柿助は蟹への罪滅ぼしで、死後桃太郎のお供として神獣に転生したんだよね」
「結構シビアな話だね…」
『いいじゃないですか。折角ワンチャン貰えたんですから』
私なんかワンチャンどころか呪いのようなものだ。転生出来ない、成長しない、重労働ときた。柿助さんが羨ましい。おまけに私は目が赤かったりする。転生出来ないから赤い目のままであって、これがコンプレックスだったりする。
「あ!今思ったんだけど瑠璃様の目って赤いね!」
『ミンチにされてぇのか』
「えぇッ!?
な、なんでッ!?」
人が思っている時に傷えぐりやがって。とりあえずこのイライラは
『大王にぶつける事にしました』
「なんでぇぇぇぇぇぇ!」
『腰もんであげますよ』
「嫌な予感しかしない!
鬼灯君助けて!」
「ダメですよ瑠璃!
まだこの豚が動けない間に試したいことがいっぱいあるのに!」
「ダメだった!こっちも危なかったぁぁぁぁぁ!」