その娘、怪奇につき2

□お絵かきと綺麗好き
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今日はお休みの日です。







「あれ、瑠璃様今日はお休みなんですか」







「あ、桃太郎君。今瑠璃ちゃんは…」







『鬼灯ー、閻魔様ー。』








お休みなんですけど








『はい。微妙なやつ持ってきた。とりあえずいらないものはこっちの箱に移して。』








「ありがとうございます。せっかくの休みなのにすみません」








『いいよ楽しいし』








お掃除をしてます。
もーちょいで冬至だから地獄全体の大掃除は確かにあるんですが、各個人の部屋はしないんで休みを利用してとりあえず閻魔庁の部屋を掃除してます。







『あ、桃タロー君。配達?おつかれ様』







「いえ…てか瑠璃様、随分と家庭的というか…」






『ああ、私親居なかったから全部自分でやってたんだよね(お師匠様居たけど使えねーし)。それのせいじゃない?
黄泉でも鬼灯と全部一緒にやってたし』






「え、二人同棲してたんですか」






『子供の頃の話だよ。あ、なんか落とし…』








桃タロー君が持っていた紙を落としたので拾い上げてみると、
象形文字みたいな絵がかかっているメモでした。やべっ。気持ち悪い…






「大丈夫ですか瑠璃。
しかし…この説明書は凄いですね」






「ですよね…薄々気づいていらっしゃるとは思いますが…あの人は絵が下手とかそういうレベルじゃないんです」






『知ってる。うん』








この前の研究会とかひどかった。なんだっけ、猫好好?とか言う猫を書いて漢方の説明してた。真面目にメモしてたのに全部それで吹っ飛んだ、てか破いてしまった。返せ私の一時間の苦労。







「これでは業務に支障がでますね」






「でもあの人は自分の絵が下手だっておそらく気づいてないんです」






『気づいてないどころか、結構いいとすら思ってるでしょうね』









「しかしこういう説明書のせいで薬の処方を間違えたら大変ですよ」










「でもなぁ…あんまり傷つけずに上達してもらうには…」





「もしもしオマエの絵酷すぎるから絵習いに来い」








桃タロー君、残念でした。すでに鬼灯が先手を打ちました。はははっ、思いっきり傷つけセンス無し!








「ちょっとォォォ俺はどうやんわり言うか考えてたのに!」








『あいつにやさしさなど必要ない』






「まったくもってその通り。それに大丈夫です。こんなことで傷つくような神経ヤツは持っていません」









こうゆうのはやっぱプロに習ったほうがいいのでは、と思う。んでもって身近なプロを私は茄子君しか知らないわけでして。








『茄子君のとこに行きましょうか』






「それが一番いいですね」






 
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