番外編
□おやすみ、いい夢を
1ページ/2ページ
「もし、
あの世というものがあるのなら
村のやつら、に何らかの制裁をくわえてやる」
そう言って目の前で息を引き取った少年。それは少女には余りにもつらくて
『ごめん…丁…』
その雫は、雨なのか、涙なのかはわからない。
ふと周りを見渡すと、ふよふよしている鬼火が見える。少女は鬼火達に声をかけた
『こっちに、いい体があるよ。』
《本当か?》
『うん。皆で入れば完全な鬼になれるんじゃないかな?』
《そうか。皆を呼んでくる》
そう言って鬼火は消えた
少女は少年の頬に手を触れる
『これが、私に出来る唯一の救済だから。
お願い、丁。生きて』
《もういいのか?》
『うん。わがままに付き合ってくれてありがと』
《さて、ここからもう少し離れたところで始めようか》
『そんなに急がなくてもいいのに
牛鬼はせっかちだなぁ』
《ほっとけ》
『いいよ。もう貴方と喋れなくなるんだし…あ、』
少女は少年の方へ振り返る
近づいて、耳元へ寄ると
『今だけ、おやすみ。丁』
そう言うと少女はすっと消えた
「瑠璃?」
そして、少年は目を覚ます
next→あとがき