怪奇な娘と一人のみなしご
□そのよん
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丁side
やーい、やーい、
うるさいですね。こいつら。焼いて食ってやろうか。
人の順応力とは恐ろしいもので、前から日常茶飯事で受け入れていたこの出来事も瑠璃といるようになってはうざったくてしょうがないものになった。もう往復ビンタとかかましてもいいですかね。
「お前、瑠璃が守ってくれるからって調子乗ってんじゃねぇぞ!」
ボス的なやつが私に言ってくる。
いくら性格がアレだろうと瑠璃はやはり美人の分類に入るようで、しかもあの明るさと誰とでも仲良くなれる性格が災いしてか、瑠璃は村では人気者だった。こいつらもよくやりますね。これからまた死にそうな目にあうというのに
「さて、質問します。私にボコボコにされるか、心臓飛び出るくらいびっくりしてみっともない姿になるか、どちらがいいですか?」
「あ?何言ってやがるんだ」
と、その時、
『どやぁぁぁぁ!!』
「うわぁぁぁぁ! 」
木からまっ逆さまになった瑠璃が落下してきた。足を縄で括っているため頭を地面に激突はしなかったが、悪ガキ共は気絶した
「なんで降りれないのに木に登るんですか」
『そこに木があるからさ!(ドヤァ』
「はぁ、」
この愛おしい馬鹿といられる私は、案外幸せ者なのかもしれない
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