その娘、怪奇につき
□贄と戯言
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「前も言ったわよね？」
はい。絡まれなうです。
前々から小さいのはちょくちょく続いてたんだけど、今日は結構な大人数で来なさりました。
『私と彼の仕事の関係上、関わらないで過ごすのは無理です。』
「じゃあやめればいいじゃない」
簡単なことでしょ？と獄卒達は笑う。
簡単に言っちゃって。前EU地獄に行ったとき見つけたマリーアントワネットみたいなこといいやがって。
『はぁ。前もそれはお断りしたはずですが』
ﾊﾟﾁｰﾝ
相手が私の頬を叩いてきた。だけど、
恐ろしく冷めた目で相手を見ているのか自分でもわかる。対して、相手の目は完全にこちらをバカにしている目。
前一度、私をボロボロにしたから天狗になっているらしい。まったく、こちらも手を出せない理由があるから手を出してないだけなのに。
「じゃあさぁー、今日はこれで許してあげるよぉー」
そう言って何人かで私を取り押さえる。抵抗はしない。そこに、拷問器具を持ったまだ若いと見られる獄卒３人。この後起こることなど容易に想像できた。
「ぁ……ぁ…」
「ほらー、早くやりなさいよー」
うわ。気持ち悪い笑顔浮かべるんだなこの女。多分やらないとお前もこうなる的なこと言われてるんだろうなー。なんて、客観的に考える。
「でっ、でも……」
『どうぞ。ほら、やって下さい？』
なるべく、表情を柔らかくした。つもり。どうせ拷問器具なんて痛くない。このまま、されるがままにするつもりだった。
「ほら、こういってるんだしぃー？それにこれは"必要な犠牲"なのよぉー？」
「そうそう。地獄の秩序を乱すんだからとうぜんよねぇ。」
「ただの"化物退治"よ」
この言葉達、を聞くまでは。
村人と、奴らが、重なる。
化物と罵られた。
必要な犠牲と言われ私と彼は生贄になった。
…必要ナ犠牲ナンテ、コノ世ニハ存在シナイ
意識が、遠のいていくのがわかった