長編

□再開
1ページ/2ページ

俺は相棒と別れ、今は冥界に一人で住んでいる。どうやらセト達はもう冥界にはいないらしい。まあ確かに海馬やバクラはセト達の生まれ変わりだったらしいから当然と言ったら当然だ。ということは他のみんなもどこかしらにいるのかもしれないな。それは良いことなのだがやはり俺一人ではどうも暇で仕方がない。相手がいないのではデュエルもできないし何より...寂しい、なんてな
あの時俺は冥界に行きたがっていたがまさかこんなにも暇で寂しいとは思っていなかった。ここにいるよりあの時、相棒達と一緒にいる方が今よりずっと楽しかった。相棒達の元に帰りたい...なんて言っても無理なことだがな
「アテム...」
突然どこからか俺の名前を呼ぶ声がした
「だ、誰だ!!」
そう言うと俺の目の前に一人の男が現れた
「アテム...神がお前を読んでいる」
突然俺の前に現れて「神が俺を読んでいるだと?一体どういうことなのかが全くわからない
「いくぞ」
男は俺の意思とは関係なくどんどん話を進めていく
「おい!ちょっとどういうことだかよくわから」
そう俺が言いかけると突然強い光が現れた。その光はあっという間におれをつつんでいった

目を開けるとそこは見たことのない部屋だった。ここはどこだ。
「アテム、お前を待っていたよ」
またどこからか俺を呼ぶ声がした。だが声のトーンからするとさっきの男ではないようだ
「ここだ、アテム」
その声は俺の頭の上から聞こえてきた。俺が顔を上げるとそこには一つの光る何かがあった
「お前は...だれだ?」
俺はその光の物体に話しかけた
「わたしか?私はお前たちでいうと神というやつだな」
...は?この光が神だと?今まで人間の考え出した神の姿を幾つか見たが、まさか神が光だとは...誰も思わないだろうな。
「で、その神様が俺になんのようなんだ?」
とりあえずあまりに信じられないが、このままでは話しが進まないので、その神と名乗る光に話しかけた
「うん。実はな、お前をもう一人の遊戯としてではなく、一人の人間として地上に蘇らせようと思ってるんだ」
しんじられない。俺が遊戯の元にいける?そんな馬鹿な
「ど、どうしてだ?そんなことができるのか?」
つい思ったことを声に出してしまった。俺が発した声はひどくふるえていた。
「お前は自分の記憶を取り戻し、王として、人として大事なものを手に入れた。やっと手に入れたのに一人の寂しく冥界で過ごすのはもったいないとは思わないか?それにお前はここで過ごすよりあっちで過ごす方がいい顔をしていたからな」
驚いた。俺がまた遊戯達の元に帰れることもそうだが、こんなにも神は人間一人に対し優しくしてくれるとは。
「しかし、一つだけ条件がある。」
神は人差し指をたてながらこう言った
「お前は地上についた時点で、一週間に1回は冥界に戻って来るんだ。」
「別に構わないが...何故だ?」
一週間に一度...ということはただ戻って過ごすだけというわけではなさそうだし...
「あーっとね、実は君にはその日だけ冥界の王としての仕事をしてほしい。」
...は?
いやいやいやいやちょっとまて、どういうことだ?"冥界の王"になれだと?王はあんたじゃないのか!
「おーおー、戸惑ってる戸惑ってる。」
そういって俺を見ながらニヤニヤしていた。これ恥ずかしい。
「お、おれは真剣なんだぜっ!」
ついとっさに叫んでしまったが、まあ仕方がないだろう
「いや、すまなかったな。じつは私の仕事の中に地上を偵察するしごとがあるのだが、やはりその時はここにはいないわけで何かとめんどうなんだよ。」
「今まではどうしてたんだ?」
「長い間ここを離れるわけにもいかないからな、急いで回ってたわけなんだがやはり、大変なんだよな。疲れるし。」
「だったら俺がすればいいんじゃないのか?」
「1日で世界中をまわるんだぞ?」
...何も言えない
「しかもお前は地上では王だっただろう?今のお前ならまかせられるとおもったんだが」
でもそんな大役俺なんかが務まるのか...不安だ。
「大丈夫だ、お前はもっと自信を持ったらどうだ?私はお前がいいから頼んでるんだ」
そう言われると少し嬉しくなった。なんとなく自信がついてきた気がする
「...分かった。その仕事引き受けよう」
そう言うと王は明るい顔になって行ったのがわかった
「よし!交渉成立だ!」
そう言いながら王は立ち上がり俺についてきて、とだけ言って部屋の奥に言った。俺は王について行った



「ここで地上にいけるよ」
そういって連れてきたのはおれが一番初めにいた場所...冥界の扉の前だった
「ここを通って地上に行くんだ」
すると王は俺に金色の羽のような形のピアスを渡してきた。おれがつけているものとよく似ている
「これは?」
「これは地上から冥界へ戻って来るための道具だ。」
「どうやって使うんだ?」
「ふだんはこれをつけていろ。そして帰ってくる時だけもう片方の耳にこれをつけるんだ」
そういって出したのは銀色のさっきのピアスと同じ形をしたピアスだった
こっちは...まあペンダントかなんかにして持っていればいいだろう
「じゃあ、そろそろいくか」
そう言うと目の前の扉がゆっくりと動き始めた
「じゃあ仕事の内容についてはまたこっちに来た時に教えるから」
王はわらいながら
「いってらっしゃい」





「いってきます」
次へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ