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□やっと素直になれたから。
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この島には、
仲間の知り合いがいた。

千羽はそいつがいる村に置いてもらえることになり、俺達は、別れた。




次の島へのログが溜まるのは二日ほどらしい。

それまで、食料の調達や船の整備にあたるよう指示をだし、俺は船に戻ってきた。




千羽のいなくなった船内は、心なしか静かな気がした。

別れ際の千羽の表情が、まだはっきりと残っている。

不安そうな、寂しそうな顔。




エ「柄じゃねぇよな…」




しんみりしてるのなんか、俺の柄じゃない。

そう思い、もう、忘れることにした。




エ「少し、昼寝でもするか…。」




空は快晴。

昼寝にはうってつけだ。

甲板で大の字になり、帽子を顔に乗せる。

しばらく、寝付けなかった。























そして、




俺達は再び、

偉大なる航路(グランドライン)の海に出向していた。




「船長!こりゃ大物だぜ!!」
エ「…」
「おい、エース???」
「せんちょ〜」
エ「ん?」
「「……」」




いつも通りの航海がまた続いた。

特に変わりはない。

変わったのは…いや、戻っただけだ。

そう、

そのはずだ。

忘れて、思い出になって、先に進むのが正しい道で…




「なぁ、エース…」
エ「なんだよ」
「このままじゃ、俺達先に進めねぇよ」
エ「は?」
「お前らしくねぇよ!エース!!」
エ「…」
「エース船長!俺達みんな、わかってますから…!」




千羽を置いて島を出てから、

胸に穴が開いたような気持ち、

仲間たちは、それに気づいてたらしい。

らしくない、

そうだよな、俺はこんなんじゃねぇよな。



「迎えに行ってやりましょうよ!船長!」
エ「…けどよ、俺は」
「俺達海賊っしょ!」
エ「っ!?」
「欲しいものは奪う!」
「あんたには、あの子を守るだけの力、あるでしょ」

エ「…お前ら…」




人生に、悔いは残さない!




仲間の言葉を受けた瞬間、
今までの悩みが吹っ飛んだ。

そして、考えるよりも先に、俺はストライカーに飛び乗り、進んできた航路を少し、反対に進む。

焦る仲間の声を背にしながら…。









*
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