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□秘めた想い
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こちらの世界にトリップして、白ひげ海賊団に身を寄せてから数か月経った。

いまだに、広いモビーの中で迷子になる私。

もう夜だというのに、自分の部屋にたどり着けないでいた。




『えっと…医務室がここだから…向こうが食堂…階段ってあっちだっけ?』




ふと足を止め考えていると、声が聞こえてきた。




それも怪しげな…。




『………これはあれですよね…クルーの誰かと女医さんの声ですよね…』




夜だし、男所帯だし、きっと溜まってるんだろうこともわかる。

そういうことに理解が無いわけでもないから否定はしないが…出来ればドアくらい閉めてほしかった。

私はすぐさまその場を離れる。




『び、びっくりした…。でも、男の人ってそういう生き物だからね…。』




そう考えると、この船にいる私って相当危ないのではないだろうか?




『マルコ隊長やサッチ隊長からなるべく離れないようにし…』



いやまて。

あの二人も男の人だった。

サッチ隊長はいずれにしろ、

マルコ隊長とは大分長い時間一緒にいるが、そういう行為に関して全く素振りも見ていない。

だから油断していた。




『例外…とかあるのかな…』




やっと部屋の近くの道にたどり着き、少し歩くスピードを速める。

近くにマルコ隊長の部屋があり、先ほどのことが頭を過った。




まさか…なう…。




『何を考えているのだ私は!!!』




思わず隊長の部屋の前で声をあげてしまった。

案の定、マルコ隊長がうるせぇよい!と顔を出した。




マ「チハネ?何してんだよぃ。また迷子か?」

『こ、こんばんは…マルコ隊長…。』

マ「お前の方向音痴には呆れるねぃ…。」

『…すいません。』

マ「お前の部屋はここを真っ直ぐ進んだ左手だ、わかるかよぃ?」

『それくらいは大丈夫です!!』

マ「ははっ、冗談だ。早く寝ろよぃ!」




ニヤリと笑ってからかわれたかと思うと、今度は楽しそうに笑っているマルコ隊長。

変なことを考えてた自分が馬鹿みたいだ。

お休みなさいと伝え、そそくさと部屋に戻る。





















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