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□元気の出るおまじない
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また…失敗してしまった。
私は不器用で、アルバイトの仕事も上手くこなせない。

毎度毎度、何かしらの失敗をしては、店長に怒られている。
いつ辞めていいとお声がかかるのか、心配する毎日。

時々、私なんか必要ないのではないかと考えるときがある。




ウキョウ「え?また失敗しちゃったの?」


うつ向きながらこくんと頷くと、頭に重みを感じた。

頭を撫でられたのだと気づいたのは、ゆっくりと顔を挙げた後。


ウキョウ「元気出して。次頑張れば大丈夫!君は出来る子だよ?」

『気休め言わないでよ…。』


彼の優しさにはいつも甘えてばかり。
傷付けてしまっただろうか?

けど、そんな心配は無用。
彼は誰よりも強いから…。


ウキョウ「仕方ない!千羽が元気の出るおまじない、してあげるね♪」


こんなときはこれ。
得意気な表情(かお)で架けてくれる…


ウキョウ「目を閉じて?」


どこかの国のお姫様の物語、
そこに出てくる美しい魔法。


ウキョウ「幸せなものを思い浮かべて?」


綺麗なもの、美味しいもの、可愛いもの…
あらゆる幸せを思い浮かべると、フワフワしてくる気持ち。



ウキョウ「いくよ?…ビビディバビディ…千羽よ元気になれ☆」


人差し指をクルクル回して、指の先を私の鼻頭につけた。

端から見たらちょっと呆れてしまうかもしれない。

けど、私にとっては特別な魔法。
本当に元気が出てくるから、不思議な魔法なの…。


『ありがとう、ウキョウ。』

ウキョウ「うん!元気になったみたいだね!」

『いつもごめんね?』

ウキョウ「謝ることじゃないよ!誰にでも失敗はある…俺なんか、ドジだから余計に、ね…?」



頼りないようで、
ちゃんと心の支えになってくれる彼。

私は本当に感謝している…。













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