【名前】モブキャラC

【二つ名】無音の蜃気楼〈サイレント・ミラージュ〉

【性格】
大人しく消極的で目立たない。
が、時々とんでもない事をやらかす要注意人物


【容姿】
黒髪セミロングに中肉中背。前髪に小さな花のヘアピンを付けている。
目立たない至って普通な子。

【武器】
・存在感の無さ
・二本のナイフ
そのモブキャラ級の存在感の無さにより敵に気づかれずに接近、背後から一気にとどめを刺す。
背景のモブになりすましてスパイ活動、潜入等もこなす諜報員としても優秀。

【備考】
趣味はゲーム。絵が壊滅的に下手。

【参考用短編小説】
とある春の日の日差しも風も心地よい穏やかな昼下がり、少女は満開の桜の木陰でお弁当のサンドイッチをかじっていた。
正直あまりアウトドアは好きじゃない、と言うか完璧なインドア派なのだがこうやって天気の良い日に静かな所でのんびりするのは嫌いじゃない。
今日もあまりにのどかな天気に室内にいるのはもったいないとお昼のお弁当を作って出てきたのだ。

「桜、綺麗だな…。戦争中なんて嘘みたい」

食べるのに夢中でまさに「花より団子」状態になっているのにふと気づき、サンドイッチをかじる口を止めて上を見上げる。
薄い桃色の花を満開に咲かせている美しい桜を見ていると今が戦争中である事を疑ってしまう。
けれど悲しい事にいくら桜が美しかろうと戦争はなくならない。
今こうしている内にも敵がどこかに潜んで私を狙っているかもしれない。

「…バカバカしい。悪い癖ね」

どうにも自分は「最悪の結果」を考えてしまう癖がある。
疑り深いといえば聞こえがいいがつまりは臆病者なのだ。
こんな美しい桜を見ながら美味しいお弁当をのんびり食べている。そんな幸せなひと時くらい物騒な事を忘れられないのかと自分自身に呆れるがこればかりはどうにもならない。

「ん…小鳥? かわいいな。どこから来たんだろ」

自分に自己嫌悪してちょっとヘコんでいるとどこからか可愛らしい小鳥が飛んで来た。
そういえば…と、手もとにサンドイッチが少し残っていた事を思いだした。
パンの端をちぎって数m離れた所にいる小鳥に向かって放り投げ、あまったサンドイッチを口に放り込んだ。
小鳥はそれに気づいたらしくパンの欠片に近寄ると何度か軽くつつき、食べ始めた。

「ふふっ…もっとパン持ってくればよかったな」

その愛らしい仕草に思わず頬が緩む。
今度から暇な時にでも余ったパンの切れ端でも持ってここに来てみようかと考える。

…今は戦時中。
今日や明日にでも敵にやられてここに帰ってくる事も叶わず死んでしまうかもしれない。
それでも、

「(せめて、幸せな未来を夢見る事くらいは許して…)」

誰とも言えぬ誰かに祈り、空っぽになったお弁当箱を持って帰路についた。

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