Dream 2(HQ)

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「…あれっ
お前らっ
ずっとそこに居たのかよ!?」

扉の近くにいた田中がガラガラと音を立てながら開けると1年坊主が並んで立っていた。

2人はボソボソと何か言いバッとこっちを見た

「勝負して下さい!」

「おれ達対先輩達とで!!」

あほだ。思わず頭を抱えしゃがみこんだ。
スガさんも俺と似たような顔しているが田中に至っては「!!ブホッマジでかっ」と爆笑している。

「せーのっ」

「「ちゃんと協力して戦えるって証明します!!!」」

バカまるだし。
俺は田中がいる扉のとこまで行きあからさまな溜息をついた。

「ビバ単細胞!!」

「"せーの"って聞こえたんだけど」

「でも俺こういう奴ら嫌いじゃないっスよ!」

「バカ過ぎだろお前ら…
考えてから口に出したかおい」

俺らが煽っていると大地さんが前へ出て2人を見下ろした。
俺らは一歩後ろへ下がり見守る。

「負けたら?」

「うっ」

「どんな罰でも受けます」

「…ふーん…
ー丁度いいや
お前らの他に数人1年が入る予定なんだ
そいつらと3対3で試合やってもらおうか」

こいつらがあの2人とまともにできる気がしないけど俺らもやったからな去年。
そんなことを思いながら2人を見つめた。

「毎年新入部員が入ってすぐ雰囲気見る為にやってる試合だ」

「でも3対3…ですか?
おれ達側のもう一人は…」

ちらりと俺に目を向けた大地さん。

「颯斗、やってみるか?」

「遠慮しときます。
俺そっち入ってもこいつのとの連携無理そうです」

と影山を指差すと少し驚かれた。
「お前はお前で自由だからな」と大地さんは納得したように頷き田中に目を向けた。

「田中
お前、当日日向達の方入ってくれ」

「えェ!?
俺スか!!?」

「こういう奴ら嫌いじゃないって言ったろ」

「関わるのは面倒臭いです!!」

激しく同意だわ。俺はうんうんと頷く。
スガさんにポカリと頭を叩かれた。幸せ。頭洗いたくない。

「問題児を牛耳れんのは田中くらいだと思ったんだけどな……」

ピクピクと田中の耳が揺れ食いついてきた。
ビバ単細胞。

「っしょぉぉがねぇなあああ!!
やってやるよ!
嬉しいか!?オイ!!」

「うぐっ」

ベシベシと日向の肩を叩く田中に痛みで悲痛の声を漏らす日向。
加減を知らないからなぁ田中。

「よし。
ーで、お前らが負けた時だけど
少なくとも俺達3年が居る間
影山にセッターはやらせない
もちろん顧問の承知の得た上でな」

「…は?」

影山はその言葉に血の気の引いたような声を出した。

同じだ。愛すが故にそれを取られることへの恐怖。
中学の俺とそっくりな顔してるよ、影山。







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