Dream 2(HQ)

□3
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土曜日 3対3当日。




「び、美女だっ
美女がいるっ
なあなあ、あのひとマネージャーかな!?
なあなあ美女が」

日向はボードやホイッスルを準備していた清水先輩を見つけると顔を赤くしながら影山に話しかけるが影山は違うことを考えているのか目がいつもより鋭かった。

「なーに怖い顔してんの?」

そんな影山を後ろから頭を掴むように撫でると、影山は大袈裟なくらい肩を揺らした。

「ばっ、びっびっくりするからやめてください立花先輩」

「お前、ばかって言おうとしたろこのちび
まぁ、なんでもいいけど。
負けんじゃねーぞ
期待させたんだから最後まで責任もってくれないとな」

「?ウッス」

パッと手を離し、コートの外で試合が始まるのを待った。

大地さんやスガさんだってこいつら2人に期待してんだ。

ただ…あのノッポ君
ー新入部した月島蛍と山口忠。
2人の実力は全くわからない。
中学の総体でも見たような見なかったような、そんな感じだから。

黙々とアップをとる月島と山口を凝視していると大地さんの声が体育館に響き渡った。

「よーし
じゃあ始めるぞ!
月島達の方には俺が入るから」

「ええっキャプテンが!?」

「ははは!
大丈夫だよ!攻撃力は田中の方が上だから!
でも手は抜かないからな〜!」

気楽そうに日向にいう大地さんとは違く、気難しそうに顔を顰めている田中が視界の端っこに映った。
そりゃテンパるよな。俺だって大地さん入るとは思わないもん。

「あーオホンッ
"小さいの"と田中さん
どっち先に潰…抑えましょうかあ!
あっそうそう王様が負けるとこも見たいですよねえ」

いきなり何を言い出すかと思ったらこのノッポ君め。
俺はベンチに座り、乾いた笑いを浮かべてしまった。

「ちょっ…ツッキー聞こえてるんじゃ…?
ヤバイよっ」

「聞こえるように言ってんだろうが
冷静さを欠いてくれると有難いなあ」

「月島、良い性格の悪さしてるね〜」

キュッキュッとシューズの擦れる音が響き、月島は少しだけど目が変わった。

「ーとくに
家来達に見放されて一人ぼっちになっちゃった王様が見物ですよね」

ちょーーっとばかし性格悪すぎるんじゃないのかなぁ月島君。

見てるこっちまで腹立って来たから隣に座る力のほっぺをむぎゅっと摘まんだ。
「いだ!痛い痛い痛い!颯斗!離せっ!」
柔らかかった。

「ねえねえっ
今の聞いたあ??
あ〜んなこと言っちゃって
月島クンてばもうホント、



擂り潰す!!!」





田中がキレたから俺はちょっとスッキリした。
さてと。

3対3

試合開始!

(ピーーーー)











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