storyA

□直角三角形
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「んもう…ベジータったら…ヤムチャは生き返ったばっかりだから、あまり苛めちゃダメよ」

ブルマがベジータを諌めるように言う。気がつけば、口をポッカリ開けたままのオレに向き直ってにっこり笑って言った。

「そうそう、ヤムチャ、これから買い物に付き合ってくれないかしら?」

は?買い物?久し振りのデートのお誘い?ていうか、やっぱり生きててよかった…

「も、もちろんさブルマ!久し振りだなあ!」

「オレも行くぞ」

え!今の声空耳かな?
「そうなのよ…珍しいでしょ〜?ベジータもついて来るんですって」

ええーっ!
なんで?なんで?

「そ、そうですか…」

なんで敬語なんだよ、オレ!



はあ…どうしてこうなるんだよ…生き返ったそうそう、あのベジータと買い物とはな…

「ねぇ、ヤムチャったら、聞いてるの?」

「あ、ごめんごめん」
「あなたの服を選びに来たのよ…」


べジータの凄まじい食事の後、ブルマの運転するエアカーで、ここ西の都最大のショッピングモールにやって来たのだ。

ブルマ曰く、オレのための服を選びに来たらしい。ま、まあ、生き返ったばかりのオレに服を用意したくなったんだろうな。泣けるじゃあないか。
ベジータは、というと、気が向いたから、としかわからないらしい。

「ねぇ、このシャツいいんじゃない?」

「そうだな…いや、こっちもいい」

「このパンツ、試着してみてよ。」

「ああ…そうだな」


はためには、普通の買い物デートに見えるだろうな。
だが、このカジュアルファッションのフロアの隅で、寄り掛かって道行く人々を睨むように眺めている男も連れだっていること、誰が想像するだろうか?

いないだろうなあ…はあ…

パンツを試着したオレはそう思いつつも、試着室の扉を開けた。

そして、目の前にいるはずのブルマに向かって………て、いないじゃないかあ?

「あれ?どこだい?ブルマ」
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