storyA

□女心は移ろう
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「全くもう…強くなることしか考えてない…んだから」
ブルマさんはプリプリ怒りながら戻って来た。
「ハハッ!それなら悟空だってそうじゃないですか。まあ、方向性はかなり違うけど」

「そうなのよねぇ…」
フゥ…とため息をつくと、ブルマさんは腕を組んで遠くを見る様な目をした。

「アイツね…あの少年が来てからなんだけどね…もう…スゴいのよ。心配だわ…」

「へ?何が心配なんですか?アイツはベジータですよ。毎日トレーニングをさせておけば、地球は取り敢えずは無事でいられるんですよ。」

ブルマさんが放った『心配』という言葉に、ボクは驚きつつこう言ったんだ。
「なんていうかね…やっぱり孫君と比べちゃうのよ。同じ星の生まれなのに、全然ちがうんだなってね」
「ふぅん…そういうものかなあ」

確かに、ボクの親友悟空とは全然違う。
悟空はいるだけで周りを気持ち良くさせるんだよな。なんつーか、オーラみたいなの?がそうさせるんじゃないのかな。
「心配なのよね…いつか死んじゃいそうなぐらいなトレーニングばかりで、さ。」
「心配?」

また『心配』か。
驚いたよ…
いつも何かあると一番先に逃げちゃったり、敵に取り入ったり、すり寄ったりするブルマさんが、心配?

「そ、それは、サイヤ人ってさ、死の淵から甦る度に強くなるって言うアレを実践してるんじゃないですか?」
ボクにかつて『半殺しにしろ』って言ったぐらいだからな〜。

「う…ん。多分そうだと思うけど。それにしても、やり過ぎなのよ!アイツは!もう〜〜思い出したらあったま来ちゃったわ!」

右手を握り締め、ガタンッと椅子から立ち上がって言った。

うわっ!
やばい!
怒ってる!
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