story

□きっかけ
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別れが決定的になった日の夜は、もっと泣くかと思った。
泣く暇は無かった。
何故なら、居候の宇宙人が壊してしまった重力室を修理していたからだ。
改良を重ね、かなり強い衝撃にも耐えられるようになってはいたが、使い方が激しいのか、度々調子が悪くなってしまうのだ。
壊しては直す、ということを繰り返しているうちに、この宇宙人がどんどんパワーアップしているのを実感した。
目標に向かって激しい修行をするベジータを見る目が違って来たのも確か。
尊敬の様な感情すら生まれていた。

「やっほぅ、ベジータ!修行は順調かしら」廊下を歩いていたブルマは、これから夜の修行に出かけるであろうベジータに声をかけた。
「…なんだ、気持ちが悪い女だな…」
「そんなしかめっつらしないでよ!たまには気分転換したら?」
「うるさい、人造人間にやられて死にたいのか?」
「…そんな……まだ…その…結婚もして無いし…赤ちゃんも生みたいし…」
ブルマは先程の映像を思い出した。ふと、浮かぶ疑問。
「そういえば、サイヤ人と地球人の混血って、強いパワーを持って生まれるのよね。悟飯君みたいに」
「あのガキか…確かにそれは言えるな」
「じゃあさあ……」
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