storyA

□直角三角形
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界王星からドラゴンボールによって生き返ることが出来たオレ、ヤムチャ。

すぶぬれの胴着を脱ぎ、シャワーを浴びる。
馴染んだ自分の服に着替えれると、その足でリビングルームに向った。

「あ〜やっぱり生きてるっていいなあ!、な、ブルマ!あれ?ブルマ?」

辺りを探しても、リビングで待っているはずの恋人の姿が見えない。

「おっかしいなあ?キッチンかな?」

隣りのダイニングキッチンに移動する。

「ここにいたのか、ブルマ〜………って、ヒッ!ベジータ!何故ここにいるんだよ!」

テーブルにいっぱいの皿を前に、ガツガツと食事をする後ろ姿…あの髪型…なんでだよっ!

「あらヤムチャ、おなか空いたの?」

エプロンをつけてシンクに寄り掛かっていたブルマが呑気そうに答えた。
「あ、ああ…まだ腹は減ってない…」

目の前の信じられない風景に動転したオレは、そう答えるしかできなかった。

「そう。じゃあ、夕飯にはお腹いっぱい食べられるように準備しておくわね」

「ああ、頼んだよ、ブルマ」

それにしても、このほのぼの感はなんだろう?
ガツガツ食べる男を見守る、エプロンの女。
これはまるで―――

新婚さん!?

確か、自分がいない間、ブルマはベジータを居候させてたんだよな…半年ぐらいか?

その間にまさか、あんなことやそんなことを!
嘘だ!有り得ない!

「うわあああ!!うそだあ!」

オレは思わず頭を抱えて叫んでしまった!

「うるさいぞ、静かにしろ」

ハッ?

一番聞きたくない声が響いた。

その一言で、すべての空気が凍り付いたようにシン…と静まり返った。

もちろんオレも。

「あ…すまん…」

消え入るような声でやっとそう答えたオレはその場から逃げ出したくなってしまった。
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