story
□誘拐
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「この女がカプセルコーポレーションの娘で……」
「この子供が息子だ……」
「ふむ…小さいな……」
「そんなの関係ない…金さえ入れば……」
「そうだな……」
「金はうなるほどあるんだ……うまく行けば、俺たち……」
「フフ…どこでさらう?」
「調べたところによると、時々週末に公園に連れて来るらしい。」
「ふむ…オヤジがいるとヤッカイだが…」
「それについては、問題ない。父親はいないそうだ」
「今はやりの…てわけだ。」
「ああ…」
「オヤジがいなくても、食っていけるからな」
「まったくだ……」
「それに比べて我々は……」
「………」
「………よし、具体的な計画を立てるぞ」
「ああ…」
西の都。
今は打ち捨てられた場末のバー跡で、こんな話合いがもたれていたことを、この時は誰も知らなかった。