短編集
□yukiん家の食卓
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おっと、まだ二人の喧嘩はおさまっていないようです。
「なんでそんな取り止めの無いような黒い液体をかけなきゃいけないのよ!」
「なぁにが取り止めのないような、だ!たかがキャベツの千切りに、ドレッシングかける、とか言って洒落てんじゃねぇよ!」
「あ〜あ〜あ!これだから日本人はダメなのよ。あのね、日本人はそうやって日本の食事を代々続けているから短足なのよ。主食は植物の米、おかずの漬物や味噌汁やおひたしも野菜ばっかり!だから草食動物みたいに腸が長くなって足が短くなったの!」
「日本人はダメって、お前も日本人だろ?!それに今から欧米的生活を送ったとしてもお前のその短い足が長くなるわけじゃないだろ」
「うるさいわね!私達の代から欧米的食文化を推進して、子孫には脚長になってもらいたいのよ!」
「それはお前の事情だろ?お前だけの望みだろ?それに、今討論しているこのキャベツも『植物』だってこと、わかってるか?」
「わかってるわよぉ!だから・・・」
「キャベツにはマヨネーズです〜!」
アタシは二人の喧嘩がだんだんうるさくなってきたし、保育園バスの時間がせまってきていたので、机の真中にあるキャベツの山にマヨネーズをかけてあげました。
「あ、あら・・・由紀?」
「ゆ、由紀ちゃん・・・?」
二人は面白い顔で私を見ています。
「昨日の夜中は、蒲団の中であんなに仲良かったのになんでケンカしてるの?朝から喧嘩しちゃだめですよお?」
アタシがそう言うと、二人は何も言わなくなりました。
「あ、あぁ。そうだね。早く食べなきゃ会社に遅れるところだった」
「そ、そうね。由紀も早く食べなきゃ保育園バスに乗り遅れちゃうよ」
二人ともまた面白い顔をしながら食べ始めていました。
ふう。
喧嘩がおさまってよかったです。
やっぱり、二人の喧嘩を止められるのはアタシしかいないみたいです。
あとがき⇒Blog(2/27 モリ編にて)
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