第二夜

□庭
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日常と隔離され
恐ろしい沈黙が覆う世界へ
迷い込んだ

何も見えない
何も聞こえない
誰もいない

重たくて
冷たくて
息苦しい
その空間には
何百億って人々の悲しみが
充満する

終わらない悲しみに
埋まる地面から
聞こえる声がひとつ

“ほら、目を閉じて”

音の無い
闇の中で響く
今まで聞いたどれよりも
優しくて甘い
あなたの声

ゆっくりと瞼を下ろす

そこはに眩しいほどの光と
青々とした緑と
その匂いに包まれる
大きな大きな庭

そう、ここは
私が大好きだった庭
あなたが愛してやまない
大切な場所

ここはいつまでも
変わらないんだ



2005.03.06

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