君唄

貴方ノ言ノ葉

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12/08(Wed) 19:27
源香士


【野良猫にまたたび】


 のらねこに
 またたびひとつ
 おきてやる
 よだれまみれし
 ねこのまたたび

 野良猫に
 またたび一つ
 置きてやる
 涎塗れし
 猫のまたたび


 のらねこの
 よいてよろけて
 ころがりて
 ひとになつくは
 すでにわがもの

 野良猫の
 酔いてよろけて
 転がりて
 人に懐くは
 既に吾がもの


 のらねこめ
 よいではないか
 ちこうよれ
 ういやつなるそ
 をちたのらねこ

 野良猫め
 良いではないか
 近う寄れ
 うい奴なるそ
 墜ちた野良猫





HP
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12/08(Wed) 05:52
アキ缶

結ぼう
強く強くあたしのこの手を
繋いで
そっと優しくあなたのその手で

どこまでも行けると
淡く夢見てたあの頃に
戻りたい、戻れない
あなたは果てしない程
遠く、遠い

繋いでた暖かさ忘れないように
いつまでも忘れないように
あなたの優しさはきっと誰よりも
あたしに向けられてた

あたしが壊れるまでは


HP
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12/04(Sat) 22:49
源香士



 まなしずく
 そいてあけにし
 きみのいろ
 まどひそめにし
 うるおふさくら

 愛滴
 添ひて明けにし
 君の色
 惑ひ染めにし
 潤ふ桜





HP
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12/03(Fri) 00:27
冬の野良猫
鳶雅盜



【冬の野良猫】

野良猫は野良猫のふりをしている

冬の斜陽に照らされた道はほんのり暖かい

それを一番良く知っているのが野良猫のふりをしている人懐っこい毛むくじゃら

コテンコテンと地に背を擦り付けては手首を返し肉球をジョリジョリと身繕い

首の後ろ辺りに小さい刺々の実が絡み付いているのに気が付かないでいる間抜け加減が暖かい地面と共に何とも言えない和みを作り出していた





HP
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11/30(Tue) 19:39
源香士



 しもつきの
 きまりてしわす
 そめにけり
 いろどりながめ
 せわしうつろい

 霜月の
 極まりて師走
 初めにけり
 彩り眺め
 忙し移ろい





HP
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11/20(Sat) 15:00
鳶雅盜


【一つだけのギター】

いつも傍らに
同じ音を奏でるスタッフォード

高いギターじゃないけれど
いつもの音を
いつもの様に聴かせてくれるスタッフォードの六本の弦

たとえ安物量産ギターといわれても

フレッドや弦の磨耗の仕方には世界に一つだけの俺の癖

今ある音は俺とスタッフォードでゆっくり歳月をかけて作った世界に一つだけの響き

安物量産ギターだったけど

今では世界に一つだけの俺のギター


そう
忘れていないよティアドロップ

安物どころかギターとセットで付いて来たティアドロップも

今では俺に欠かせない世界に一つだけのピック


スタッフォードとティアドロップ


買った時とは微妙に違う

俺と一緒に作って来た音

檜舞台へは上がらせてやれないけど

これからも時たま俺達のロカビリーをやろう

俺にはその音しか無いのだから





HP
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11/18(Thu) 20:14
晩秋、八幡の宮
鳶雅盜


【晩秋、八幡の宮】

樹は千歳の銀杏

社楼は応神の山

微風は心皮に快く

黄蝶の鱗舞するが如し





HP
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11/16(Tue) 23:34
再読歓心
鳶雅盜



【再読歓心】

自分自身の変化など意識する事も無く歳を重ねて歳月も流れる

二十年前に読んだ本を再び読んで読み終えた時に感性或いは感受性が変化している事に気が付く

我ながら面白い事に気が付いたと思った

最近はその感慨のギャップが楽しく仕方がない

同じ書籍同じ人間であるはずがこうも変わる物なのだろうかと


定期的に何度も読み返している愛読書ではそれを味わいにくい

時間の差が小さい分自分自身の変化も小さいからだろう


以前に読んだ時に感じたイメージの微かな記憶を持ちながら再び読んでみて印象が記憶とかなりのギャップがあると新鮮さを感じる

当時は解ったつもりになっていた物が実はつもりになっていただけである事が意外と多い


それに気が付いた時

再び読んで良かったと思う




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11/16(Tue) 00:29
鳶雅盜


【武蔵野の黒土と苔】

庭の至宝の大杉苔は武蔵野の地には馴染みにくい

移植をしても数年の後には絶え消える

だから私は黒土を綺麗に均し景石や飛び石と黒土の際にメリハリを付けて苔庭とは異なる趣きを試みる


山紫水明京都の庭園にある苔庭とは比べられない

気候の違いはどうしようもない

黒土を観せる庭には塵一つの雑物も残さず美しい黒を小さな景石や飛び石で引き立てる


専用の道具で地表の起伏を平らに均す

水打ちを心掛け土を乾かさない様に気を付けていると良い事もある

京都の大杉苔とは行かないが黒土の表面に目の細かい銀苔が付き始めるのだ

銀苔は成長すると厚みを帯びて目の細かい絨毯の様な美しさが現れ始める

この銀苔の繁殖維持に何度失敗した事だろう

水打ちの加減が難しい

乾いてもダメで水をやり過ぎても元の黒土の表面に戻ってしまう

出始めは細かい粉が付着している様な物だから掃き掃除一つも気が抜けない

筆の様な柔らかい毛で出来たハケを使ったり大きい塵なら素手でつまみ取る

荒い箒で引っ掻いてしまうと折角付着した苔の元がダメになってしまうからだ


気候的住み易さはどうか判らないが殊苔に関する環境を思うと京都と言う土地が無性に羨ましくなる

一昔前

苔の美を見たいが為に何度が京都の庭園回りを繰り返した事がある

濃淡様々に織り成す苔の彩りに何度溜め息をついた事だろう


私は長らく庭仕事の手を止めている

春になったら少しでも体の具合が良い時に少しずつ

新しい庭の作庭に取り掛かってみようか





HP
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11/15(Mon) 20:31
三ヶ月の軌跡3
海音

ーその3ー

【血が通ってるかの如く赤いフレームの眼鏡
自己流の戦いを編み出す。可愛い恋人を使って
毛先が傷みまくった女
振り切る曲を聴いてる】

さよならバイバイ
過ぎ去る日々よ

【いまのうちにやれってことだ
愛する者の言葉が耳に残ってるうちに
アイツが憎いと
嫉妬に狂っていても
オリジナルの振りで手を振り】

繋がりたいなら
消えかけた糸を
手繰り寄せて

【パシッとやってみる
刺激的な感傷が待ってる
大好きならベツバラとか
見つめる美少年とか
お弁当作ってみたりとか】

毎日ちがう言葉
バラバラに生き別れた
この短い空間じゃ
二週間にしか満たない
続く三ヶ月

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