空さんの小部屋

□空さんの大好き
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三学期のある日。

冬の寒い校庭でも 雪が降った日は 特別。
上級生も下級生も 外で元気に 遊びます。

雪合戦している子。
みんなで協力して 大きな雪だるまを 作っている子達。

そして鉄棒では 4年生のありすさんと きせとさんに 1年生の空さんが 交じって 仲良くおしゃべり しています。
上級生と下級生が 交じって遊ぶのは、一学年に 一クラスの 空さんの学校では よくある光景なのです。

「空さん、今日 バレンタインデー なんだぜ」
くるーんと 逆上がりした ありすさんが 空さんに尋ねます。

「? ばれ…たん??」

空さんは 聞きなれない 言葉の意味を 考えます。

「空さん ばるたんより ガメラの方がいいな」

おやおや。

ばれたん→ばるたん だと 思ったようです^^

「空さん、ばるたん じゃなくて バ・レ・ン・タ・イ・ン だよ」
「ばれん…たいん?」

きせとさんが ゆっくり 言ってくれたので 空さんも言えました。

「ありすさん、ばれんたいんでーって 何?」
空さんは 質問する時 右手を上げます。

「好きなヤツに チョコあげる日 なんだ」
「好…き?」

「女の子が 好きな男の子にチョコをあげて、想いを打ち明ける日なの♪」
ザックリしすぎている ありすさんの説明に きせとさんが 付け加えます。

「きせとは古いな〜。今は女同士で チョコあげ合うのが 流行ってんだよ」
「友チョコもいいけど…やっぱり バレンタインは 恋のイベントだと思うわ!」

女の子らしく、可愛い物が好きなのが きせとさん。
青ちゃんの二番目のお姉ちゃんです。

「きせと、想いを打ち明けたい 男子がいるのか?」
「…いない凹」

今年の きせとさんも チョコをあげる(異性)は お父さんと 青ちゃんのようです。

「さ、バレンタインデーが 分かったところで、空さん♪ きせと♪」
ありすさんは 両手を広げて 催促します。

「ありすさん、学校に おかしを もってきたら いけないんだよ」
「う…そうだったな」

下級生の空さんに 注意されてしまいました。

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