短編(BL注意)
□届かぬ想い
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「土方さーん、おはようございやす」
「ああ、おはよう」
俺の1日は、こんなたわいもない話から始まる。
「てなわけで、今日も見回り頼みますぜィ」
「待てェェエ!さりげなくサボるなァァア!!」
「チッ」
「おい今舌打ちしたろ?」
この瞬間も俺には幸せで。
もう分かったかィ?
そう、俺、一番隊隊長沖田総悟は、副長の土方十四郎に絶賛片思い中なんでィ。
武州にいる頃からか。姉上と両想いだということは知っていた。でも諦められなかった。
「おい何ボーッとしてんだ、見回り行くぞ」
「え、」
「え、じゃねェよ。ほら、行くぞ」
参ったな、二人で見回りとか…襲っちまうぜィ?ニヤリ
まあ、土方さんは俺の想いには全く気付いてないがねィ。
ホントに
「鈍方でィ」
「オイ誰が鈍方だ」
「さーせん、マヨ方さん」
「マヨ方って誰だよ、てか俺のあだ名いくつあんだよ」
こんな平和な日が、平和な会話が続けばいいのに
俺だけを見ていてほしい
でも───
「あれぇ〜?多串クンじゃないの、見回り中?」
「…てめェには関係ねェだろ、万事屋。それと多串じゃねェ」
どうやらそういう訳にもいかない。
叶わぬ恋だっていうことは100も承知なんでィ。
それでも、この想いは──────
→あとがき