短編集[小説]

□地方領主のHalloween!!
2ページ/3ページ


「毛利がなんか、大阪城のはろいん?てのに誘われたらしくてよ!!!俺の相手してくんないの!まじ許せねぇ!」
「あっ、俺も俺も!!武田のとこで虎もっふもふ大会しようとしたら、大阪城のはろいん?に行ったらしくて!」
「………領内、お化けいっぱい…………森もお化け…私が食べられる……」
「はろいんなどと浮ついてる物は曲がる!」
「はろいん?の邪魔だからって謙信様にあっちいけされた!!!」

往年の経験の賜物なのか、叫ばれ続けても南部は動揺しない。

どちらかといえば、主にハブられた悲しみにより、それぞれがこの地にやって来たのか、という哀れみの方が強いのだろう。

「………はろいん、をわしらでやるか?」

腕を組んだまま、南部は提言した。

「えっ、あっ、俺、やりたいとか………楽しそうとか思ってないしっ」
「虎!!俺、虎やりたい!!!!もっふもふの!!!持ってきてるぜ!」
「お化けのふりをしたら、食べられないのか……?」
「……え、それは真っ直ぐなのですか?」
「俺は弱い足軽兵のふり!!だけど無敵だからな!」

戸惑う姉小路と佐竹の背中を押す、宇都宮と直江。その後ろを、おい待てよと尼子が追う。

そんな彼らを見て、南部は口元を綻ばせた。

たまには生者と関わるのも悪くないか、とでも言うように。
次へ
前へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ