With love from Oborozukiyo

□I'll stay with you.
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私は早足で家に帰った。
あの男が怖かったというのも理由の一つでもう一つはアドおじさんが心配だからだ。

ガチャ


『ただいま』


お「おかえり」

アドおじさんは私の命の恩人でもありお父さん代わりの人だ。
まだ赤ん坊の頃、捨てられて泣いている私を拾って此処まで大きくしてくれた。
おじさんに歌も文字も色々教えてもらった。一生かけてもこの恩は返せない。

『アドおじさん、お腹空いてない?何か作ろっか』

お「いや、いいよ」

アドおじさんは元々体が弱く、最近あんまりご飯を食べなくなった。
病気にかかって余計に体調が悪化したからだろう。
ここの島にも近隣の島にも医者はいるがその病気を治す薬と腕の立つ医者はいなかった。

日に日に弱まってる…


あんなに元気だったアドおじさんが嘘みたい。


アドおじさんはよく海へ出て世界を見てきなさい、こんな小さな島で歌うより世界を旅して歌えばお前は天下一だ!とよく笑いながら言っていた。

でもおじさんを置いてはいけないから。アドおじさんと此処で生きていくから。



『今日はもう休む?』

お「そうだな、レイラも早く寝なさい。夜更かしは体によくない。おやすみ」

アドおじさんはそう言うと目を閉じた。


『おやすみ、アドおじさん』
 

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