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□雷
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「今日から明日にかけて大気の状態が不安定なのでお出かけの際は急な雨や落雷に注意してください。また竜巻や突風ーーー」

ピッ


俺は天気予報が流れているテレビを消していつものソファーで寝ているカノに話しかけた


「雨降るかもしれないらしいな......俺、傘もってきてないんだけどここって使ってない傘とかあるか?」


そう、俺は今アジトに来ているのだが朝家を出る時エネに急かされて天気予報を見ずに家を出てきてしまい傘を持ってきていないのだ


「んー...あったかなぁ
...ってもう雨降ってるじゃない。」

窓の外を見てカノは言った。
「うわ、相当強い雨と風だね...」

「お、ほんとだこりゃすげぇな...」


窓の外を見てみるとさっきまで晴れていた空は雲に覆いつくされ、土砂降りになっていた。
木々の揺れ方や窓にあたる雨の音を考えると相当風も強いらしい。


「傘はあったけど帰り大丈夫?貧弱なシンタロー君のことだからこんな中外出たら飛ばされちゃうんじゃない??」


玄関に傘を探しに行って戻ってきたカノがいつもの如くニヤニヤしながら聞いてきた。
ていうかそんなこと言ってるカノの方が俺より軽そうだし確実に飛ばされそうな気がするのは俺だけだろうか


「ヒキニートで悪かったな。ていうかお前の方がちっさいし簡単に飛ばされそうな気がするんだが」

「ちいさくないし!!みんなが高いだけだよ!
僕はバランス感覚に優れてるから飛ばされないよー」


言いながら最後にウインクしてきやがった。
ていうかバランス感覚は飛ばされない理由に入るのだろうか、謎だ。


「おーおー、悪かったなちっさいの。
......ってかほんとに雨すげぇな...」


一応謝ってみた。適当に。
こう喋ってる間にも雨は強くなっているようで台風並みの風のせいもあってか窓にビシビシと音を立てながら当たっている。


「......それ謝る気ないでしょ
どうする?ここに泊まってもらっても大丈夫だけど?」

「まぁ、ないな。自分でもびっくりするぐらいない。
お、いいのか?じゃあそうさせてもらおうかな...」


カノの言う通り謝る気なんてさらさら無い。
まぁそんなことは置いておいてお言葉に甘えさせてもらうことにする。
.........いや、外に出ても飛ばされないけどな。


「僕もセトぐらい背欲しかったな...じゃなくて。
シンタロー君泊まるってキドには連絡しておくね〜」


果たしてキドは連絡に気づくのだろうか....
...................って....背、ねぇ。カノが背高いの想像できねぇな。


「おぉ、ありがとな。
まぁ背はカノはそのままでもいいんじゃねぇか?ちっさいのも中々可愛いもんだし。」


思ったままを言ったのだが俺の“可愛い"発言にカノは驚いたようで目を一瞬丸くしたがまたいつもの笑顔に戻って


「そうかなぁ...っていうか僕は背に可愛さは求めてないからね?」


なんて言ってきたがはいはい、と適当に流してみる。

もー、シンタローくんのバカー。なんてケラケラ笑いながらまたソファーに戻って寝始めたので俺も携帯を弄り始めた
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