C’est vrai?
□プレゼント
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どきどき。どきどき。
心臓が高鳴ってやまない。
無性に帰りたくなったり、これからの時間にわくわくしたり、私の頭は大忙しだ。
私は今、駅の改札前でキッドを待っている。
そう、今日はいよいよ初デートの日なのだ。
携帯の画面で髪の毛を確認する。巻いたのなんて久しぶり。
ちなみに服装は白いレースワンピースに上にデニムシャツを羽織って、靴はぺったんこのパンプス。似合ってるかどうかは……しらない。うん。
うちのママは可愛いふわふわしたファッションが好きだ。私は実はヒョウ柄とかパンク系好きだったりするんだけど、今回ばかりはお母さんに感謝した。だって、で、デートだもん。甘い服の方がいいに決まってる。
時間を見るともう少し過ぎてしまっている。どうしたのかな、キッド。
「リカ」
名前を呼ばれる。
振り向くと、キッドがいた。
私が驚いて目を見開いたのは、突然話しかけられたからではなく。
キッドの私服があんまりにもカッコよかったから………
ゆるめのTシャツに、ブラウンのチノパン。黒いブーツにインしてる。頭につけてるゴーグルはいつもと変わらない。
「き、キッド」
どもってしまった。
ぷはっと笑うキッド。
「なにそんな驚いてんだよ」
「いや、いやいや、なんでもないよ!!」
「そうかよ。だいぶ待ったか?」
「そうでもないよ。なんかあったの?」
「あァ、エミと電話してた」
え?
いつのまに2人、電話するほど仲良くなってたんだろう。
そういえば、エミからも今日メールが来ていた。
おめでとうっていうのと、今日楽しんできてねっていうの。
そう、だって今日は……
「んじゃあ、いくか」
「う、うんっ!」
キッドに呼びかけられて回想を中断する。私たちは改札から駅にはいった。
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