しょーとstory

□思い出
2ページ/7ページ

私達は、その事を思いださずに倉庫の中に入っていった。

これはどこに置けばいいのかな、と片付けていると、

ゴロゴロ、ガラッ

バタン。

私は後ろを見るのが怖かった。

それは、咲坂も一緒だと思う。

まさか、あののんきに話ていた事が本当に起こるわけない。。。

慌てて後ろを振り向くと、ドアがピタリとしまっていた。

絶対ないよ…風だよ風。

横を振り向くと、咲坂も顔が真っ青になりかけていた。

「ちょっと、ドア開けてくるね〜」


「おっ、おう!しかし今日は風が強いな〜。」

「ね!風に邪魔されるとかどうかしてるね。私達。」

自分のいる場所からドアまで数メートルしかなかったが、思わず走り出しそうだった。

風だよ絶対風だ。

風なんて、さっきまで少しも吹いてなかった。

けどそのせいにした。

信じたくなかった。

ドアがもしかしたら、あのバットに…

あぁーー!考えちゃダメだ!!

早くドア開けよう。

ほら、咲坂も待ってるし・・・

開けて、ほらやっぱり風だったよー、とイメージをつけてドアを開けようとした、

ゴッ、ガキっ。

・・・・・・・・開かない。

鈍い音がしたけれど構わず何回も横へ引いた。

ゴッゴッ、ガキッ、ゴゴゴッ、ドコッバコッ、ゴッ、メリッ、ダダダッ、バコン。

「も、もういいって!芹野!」

「だって、開かないんだよ。。。」

「壊したら、助かっても弁償だって。」

「ごめん。さっき言ってたことが、本当に起こったから。怖くなって。」

「俺が最初にどけとけばよかったな。ごめん。」

「謝んないで、テンパってた私が悪いの。でも、閉じ込められちゃったね。」

「顧問が最後にここに来るはずだから待ってよう。」

「そうだね。」

「部活サボったことになんないといいんだけど。」

「私から言っておくよ。」

「あぁ、ありがとう。優しいところもあるんだな。」

「いつもは優しくないって聞こえてしまうんですけど。」

「俺だって…毎回…やさ…て…」

「全然聞こえなーーい(イヤミ&ほんとに聞こえない。)」

「聞こえなくていいですよ別に!聞いたところでお前が何言うかわかんないからね〜。」

「なにそれ!腹立つわー(笑)」

そんな事を言っているうちに、話すこともなくなり、沈黙が続いた。

何分か沈黙が続いたあと、咲坂が口を開いた。(あれ、私、こいつの事名前で呼んでる。。。それくらい許してるってことなのかな?)

「俺さ、一回だけ、女の子をこういうふうな場所に閉じ込めたことがあるんだ。」
次へ
前へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ