桜
□学校生活スタート!
2ページ/3ページ
今陽翠と一緒に、教室へ帰る途中。
陽翠を面白がってた俺が悪いんだよな・・・
ありがとうって言ってくれたけど、
今もずっと下向いてるからな、
・・・あの時は、楽しくてポーカーフェイスなんか忘れてたんだ。
一番素直になれたの陽翠と一緒の時だけだったのかもな…
「優心君!」
「っん?なんだ?」
「ぶ、部活って…バスケ部にするの?」
「あぁ、そういえば何も考えてなかったな…でも仮入部回るのもめんどくさいから、バスケ部にしようかな。小さいころからやってたし…」
あれ、陽翠顔赤い・・・さっきから、
言ったら、またどもっちゃうかな、せっかく今しゃべれてんのに・・・
触れないでおこう。
「あんたは?」
「あ、私は書道やってるんだけど・・・演劇部はいろうと思って。」
「えっ、なんか劇団とか入ってんの?」
「ううん。独学っていうか、ただ演じるのが大好きなだけ。」
「演じる人によって、同じ感情でも全く違って見えるんだよ。すごいって思った、初めてだったの、あんな感情は。」
こんなにしゃべる篠宮は見たことがなかった。
勇気に満ち溢れていた。
「そうか、ちゃんと夢があるんだな。」
「優心君は?ないの?夢。」
「あぁ。今はな、でも、いつかはできるって信じる。」
「そうか、まだ焦らなくてもきっといい夢みつかるよ、優心君なら。」
「ありがとう。」
あれ、ちゃんと喋れてる、篠宮に話すと軽くなる。
篠宮と話してる時だけはポーカーフェイスなんて使わないで気軽に話せるようになっていた。
「今度でいいから、俺の名前書いてよ。」
「…うん!いいよ。次の休みにでも。」
フワッ
あっ、まただ。
話してると・・・
幸せな気分になるんだ。