るろうに剣心

□第1話
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『わざわざありがとうございました』
署長「いえ。案内できなくてすいません」
『場所さえわかれば大丈夫です。それに署長さんも忙しいでしょうから』
少年がいるのは東京にある警察署
“ある探し人”がこの近辺にいると噂で聞いたのでやってきたのだ
署長さんの話ではその人はまだこの町にいるらしい
『(早く会いたいなぁ)』
少年は早々と警察署を出てとある剣術道場へと向かった

――――その頃―――――――――――――

流浪人の緋村剣心は、神谷活心流剣術道場と同じ敷地内にある神谷家宅でいつも通り家事をしていた
剣心「今日は天気がいいからよく洗濯物が乾く…」
と、独り言をこぼしていた
 ―――そう、こんないい天気の日だった
 ―――祐樹と別れたのは
10年以上前のことなのにまるで昨日の事かのように脳に場景が浮かぶ

焼け野原の真ん中
自分より背の低い祐樹
その年にしては長く、揺れる茶色の髪
大きな目から零れる涙
去る時に聞こえた泣き声

「け…ぃ…!…ぇ…ぃん!…けん…ん!剣心!!」
剣心「あっ…薫殿…」
薫「もう…何ボーッとしてるの?」
この女性こそが神谷家の当主、神谷薫
道場の師範代
巷では剣術小町と言われており、美人の類に入る
薫「そんなことより剣心、お客さんよ」
剣心「客…でござるか」
薫「そう。茶髪で長い髪の男の方よ。剣心のこと、剣兄って呼んでたけど…知り合い?」
剣心「…えっ?」
そんなはずない
あいつがここにいるわけない
…でも自分を剣兄と呼ぶのはたった一人だけ

―――『剣兄ぃ!一緒に遊ぼっ!』

祐樹…?
半信半疑で玄関に向かう

『剣兄…久しぶり』
 

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