銀魂

□恋日記 三日目
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(沖田目線)

鬼道丸だった道信が死んだ話をするために俺は万事屋に来ていた。
今は話も終わり部屋には雨の音が部屋に響く。
「あー嫌な雨だ。何もこんな日にそんな湿っぽい話持ち込んでこなくてもいいじゃねーか…」
旦那は窓の外を見ながらダルそうにそう言った。
「そいつァすまねェ。一応知らせとかねーとと思いましてね」
「ゴメン銀ちゃん」
「僕らが最後まで見とどけていれば…」
俺の向かいのソファで眼鏡とチャイナが下を向いていた。
チャイナにいたっては膝を抱えて丸くなっている。
普段元気なヤツが沈んでいるのは見ていて痛くなる。
「オメーらのせいじゃねーよ。野郎も人斬りだ。
自分でもロクな死に方できねーのくらい覚悟してたさ」
旦那がフォローする言葉をかけて少しだけ見れるような顔になる。
その様子を見て何か嫌な感情が溢れる。
俺はそれに気付かぬフリして立ち上がる。
「ガキどもはウチらの手で引きとり先探しまさァ。
情けねェ話ですが俺たちにはそれぐらいしかできねーんでね」
本当に情けねェ。
目の前で暗い顔してんのにこんなことになった原因を作った俺は何もしてやることができねェ。
「旦那ァ妙なモンに巻き込んじまってすいませんでした。
この話はこれっきりにしやしょーや。これ以上関わってもロクなことなさそーですし」
俺ができるのはこの件から遠ざけることくらいだった。
それなのに襖を開けて入ってきたのは道信の子供たちだった。
子供たちは俺が止めるのも聞かずに旦那に敵討ちを頼み込み、しまいには泣き出した。
そんなことされて動かない旦那ではない。
ドッキリマンシール片手に出て行く。
その後を追ってチャイナも眼鏡を出て行く。その顔はどこか吹っ切れた顔をしていた。
どうもコイツらには敵わねェ。
俺も後を追って部屋を出た。
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