銀魂

□相愛傘-あいあいがさ-
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ポツポツと雨が音楽を奏でる。
この天気のせいか大通りもいつもより人が少ない気がする。
そんなことを思いながらウィンドウショッピングというものを楽しむ。
可愛い服に可愛い髪飾り。
もし私が着たらアイツはどんな顔をするのだろう。
お金はないから買えないので着れないのだけれど、そんなことを考えるのもとても楽しい。
そんなウキウキ気分で歩いてた私を後ろから呼び止める声がする。
「おい、そこのチャイナ娘止まりなァ」
振り向けばそこには総悟が立っていた。
「お前何してるアルか。何でそんなびしょ濡れアルネ」
「そりゃァおめー雨に打たれたんでィ。そんで雨宿り中なんでィ」
そういう総悟は頭から制服もびしょ濡れだった。
「分かったアル。雨宿りという名のサボり中アルネ」
「否定はしねェ」
「おい、一応しろヨ。仕事中だろてめー」
サボり魔のことはほっといて歩き出そうとしたら腕を掴まれる。
「ちょっと相手しろよチャイナ」
「何でサボり中のやつの相手しないといけないアルか。仕事しろヨ仕事」
「そういうてめーは万事屋の仕事は?」
「今日は無いアルヨ」
「今日はじゃなくて今日もだろうが」
私はまた総悟を置いて歩き出そうとして、これまた腕を掴まれる。
「しゃーねィ。せめて屯所まで送ってくれやィ」
総悟はそう言いながら私の傘の中に入って来る。
「はァ?何で私がお前を送らないといけないアルか」
傘から追い出そうとするが上手くいかない。
むしろ傘の柄を総悟にとられる。
「ほら、早く行くぞィ」
そのまま総悟は歩き出してしまう。
「行くぞィってそれ私の傘アルヨ!返すヨロシ!」
「やだね」
総悟が傘を上にあげれば、総悟より身長の低い私には届かない。
渋々一緒の傘で歩くことにする。
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