笠松先輩と .

□笠松先輩と後輩ちゃん
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好きです!

一回目、練習前の先輩に名前も名乗らず告白。

は?

と、言われ撃沈。


小枝 美羽 1年生!

二回目、今度は告白ができず名前だけ名乗る。

覚えとく。

と、苦い顔をされ撃沈。


先輩!好きです!付き合いましょう!

三回目、先輩の前で大きく手を広げ、まるでミュージカルのように告白。

何回目だよお前。

私こと覚えてくれてたんだ!と嬉しくなるも撃沈。


眼鏡でギャップを作った時は、眼鏡似合わないと一撃。
ラブレターを渡した時は、受け取ってくれたものの返事なし。
お菓子を作ろうと思ったけど料理は出来ないので諦めて、編み物でもしようと思ったけど一行に完成しない。

何度も何度も告白してはフられ告白してはフられ、
いつの間にか今回で11回目にもなっていた。

でも大丈夫。
7月29日、今日は先輩の誕生日。
誕生日プレゼントも用意したし、
告白する日程としては完璧。

「先輩!」

また今日も部活前の一番気が立ってる先輩を呼び止める、

いつもなら
またお前かなんて言う先輩も
今日は誕生日だから浮かれているのか
そんなこと一言も言わなかった。

「お誕生日おめでとうございます!」

そう言って綺麗にラッピングされたプレゼントを渡す。
心なしが嬉しそうに受け取ってくれる先輩を見て

「大好きです、付き合ってください。」

11回目の告白をした。

「そろそろ付き合うか。」

そう言って、また先輩は私をフった。









え?
何今の?
そろそろ付き合うか?
フられてないじゃん!
私!フられてないじゃないか!!

取り敢えず状況を把握しようと
手足をバタつかせて落ち着こうとしている私を見て

「ばーか。」

と、先輩は私の頭を叩き部活に向かった。


あぁ、
なんて
なんて幸せなんだろう。

先輩はまた私をフっただなんて
間違えた脳内ナレーションしてごめんなさい。

頭に残る先輩の手の感触がより一層顔を熱くさせる。
嬉しいなぁ‥なんて
力の無い声で呟けば
ヘトヘト、と床に座り込んだ。

もうやだ幸せ‥。









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