笠松先輩と .

□笠松先輩とバレンタイン
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今日は2月14日
バレンタインデー。

朝から浮かれ気分の奴らを尻目に
俺はいつも通り学校に向かっていた。

毎年マネージャーに義理を貰うくらいで
両手いっぱいにチョコ抱えて告白もされるような黄瀬と違って
これといったイベント的要素は
俺の中ではそんなにないバレンタイン。


だから別に、気にしてなかった。

公園の入り口の前に
やけに色が白い女がいても、
その色白女と目が合っても、

「あの!」

こうやって呼び止められても
何か落としたか?ってそれくらいだった。

でも、色白女が
紙袋を差し出してきて
その中には綺麗にラッピングされた箱が入っていた時には
流石に察した。

こいつまじで色白ぇな。

彼女の第一印象はそれだった。




「え?それで?名前は?高校は?」

貰ったチョコの経緯を話すと
黄瀬は真っ先に問いかけてきた。

「は?聞いてねぇけど。」

「え!?まじスか?告白されたんスよね?」

告白?
そんなもんされてるわけねぇだろ。

大体今日会ったばっかの奴に
告白する馬鹿がいるかよ。

「チョコを作ってきてくれたってことは先輩絶対知り合いっスよ!名前も知らずにお返しどーすんスか!」

黄瀬は勢い良く身を乗り出し訴えてくる。

知り合い?
あんな色白い知り合い居たか?
黒子くらいじゃね?

「制服は!制服どんなだったんスか!!」

俺の答えを聞く暇もないかのように
今度は制服について聞いてくる。

俺は首を掻きながら朝の色白女を思い出す。

「紺のブレザーで白いライン入ったやつ。」

「特徴は!特徴!」

「あぁー色白で目が丸かった。」

目が丸かったってどんな特徴っスか。
と、黄瀬は笑いながらも
携帯で何かしてるようだった。






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