笠松先輩と .

□笠松先輩と居場所
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「引きます?」

彼女は左腕を見せて俺に問いかける。
彼女の左腕には刃物で切り裂いたような無数の傷が広がっていた。
いわゆる、リストカット。
傷は古いものから新しいもの
深いものから浅いもの、様々だった。

綺麗な顔立ちに色素の薄い髪色、
長袖を着た色白なクラスメイト。
小枝 美羽の印象はそれくらいだった。

クラスメイトという認識があっただけで
話したこともなければ
何か接点があったわけでもない。
ただ、同じクラス、それだけだ。

そんな俺に、 小枝はいきなり腕をまくり
白くて細い傷付いた腕を見せてきた。











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